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第35回「高松宮殿下記念世界文化賞」に5氏 建築部門の坂茂氏は花園沸かせたラガーマン、紙管使った建築にトライ

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月11日 15時31分

「エコロジー」「サステナビリティ」といった言葉がなかった1980年代中頃のバブル期から、紙管という素材に着目。「とにかく身の回りにあるものを大切に使いたい」。展覧会の会場設計を行った際、仮設展示に使う木の代替材料を模索。ファクス紙の芯、再生紙でできた紙管を構造に使う開発を始めた。軽くて強い建築を目指し、新たな可能性を切り開いてきた。

活動のベースにあったのはラグビーだ。小学生で競技を始め、成蹊高では2年時に全国大会に出場、花園ラグビー場でプレーした。ポジションはフランカー、NO・8。

「ラグビーって本当につらい。まひして肉体的にも精神的にもつらい中で、喜びを見つけていくことが楽しみになってしまったんじゃないかな」と笑う。

全国大会初戦で強豪の大工大高(現常翔学園高)に敗れてラグビーを断念。中学の夏休みの課題で作った住宅模型をきっかけに志した建築家を目指した。高校卒業後に渡米して建築を学び、帰国して85年に事務所を立ち上げた。

災害ボランティアにも力を入れてきた。「地震で人は死なない。建築が崩れて人が死ぬ。建築家の責任もある」。紙管を使った94年のルワンダ内戦の難民シェルター、翌年の阪神淡路大震災のベトナム人難民のための仮設住宅建設などが高く評価。年始の能登半島地震やウクライナの難民支援にも乗り出している。

平時と非常時の両方で建築家の使命を果たしてきた坂氏。ラグビーで培った不屈の精神で乗り越えていく。

■坂茂(ばん・しげる) 1957年8月5日生まれ、67歳。東京都出身。成蹊高卒業後、渡米してクーパー・ユニオン建築学部などで学び、卒業し、帰国後の85年に坂茂建築設計を設立。紙管を利用した建築で95年の阪神大震災時に仮設住宅建設を手掛ける。海外の美術館や劇場など公共建築でも高い評価を得て、2014年に「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を受賞。17年紫綬褒章。

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