パリ五輪直前ルポ 「日本といえば阿部だね。最もグレートな兄妹！」マクロン大統領に夕刊フジが直撃 官邸を開放、メディアを招く異例の歓迎会

五輪メディア向けのイベントが開かれた会場。中庭では仏・マクロン大統領夫妻も来場者と交流を深めた＝フランス・大統領公邸「エリゼ宮殿」（撮影・山戸英州）（夕刊フジ）

【パリ（フランス）２２日＝山戸英州】仏のエマニュエル・マクロン大統領（４６）が、大統領官邸で開かれた五輪関係者対象の歓迎会で夕刊フジの直撃取材に応じ、パリ五輪で大会２連覇がかかる柔道の阿部一二三（２６）、詩（２４）＝パーク２４＝に言及。「最も強い兄妹。頑張ってほしい」とエールを送った。

地元メディアが「大統領官邸を開放してメディアを招くのは異例」という歓迎会。１７１８年に建立された建物はエリゼ宮殿とも呼ばれ、マシンガンを手にした衛兵にパスポートを提示すると中に通された。豪華なシャンデリアのある会場には、高級ワイン、シャンパンやマカロン、チーズが所狭しと置かれた。

開会前、手持ち無沙汰にしているとクライミングを主に取材する、スコットランド在住のベリー・ナタリー記者が「すごくいい雰囲気。興奮している」と話しかけてくれた。

聞けばプライベートでは登山家としても活動、来日経験もあり沖縄、東京のほか「愛媛にある石鎚山にも行ったことがあるわ。日本語をもっと勉強してまた行きたい！」と明るく話してくれた。

マクロン大統領は国際オリンピック委員会（ＩＯＣ）トーマス・バッハ会長（７０）と予定より３０分遅れて会場に姿を見せた。「パリの素晴らしさを知ってもらえるように」と宣言。五輪史上初となるセーヌ川での水上開会式にも「ユニークなものになる」と自信をのぞかせた。２０１７年５月、史上最年少で大統領に就任したころを振り返り「当時からＩＯＣとパリ五輪の展望を話した」と感慨深そうに語った。

降壇後は妻のブリジット夫人（７１）らを伴い来場者と交流。夕刊フジ記者が柔道の取材をすることを伝えると、ほほ笑みながら「日本といえば阿部だね。最もグレートな兄妹だよ！」と切り出した。フランスは日本に次ぐ柔道大国で知られており現地には日本選手のファンも多いが「彼らにも頑張ってほしいね」と期待を寄せた。

ブリジット夫人も２年前に凶弾に倒れた故・安倍晋三元首相を忍びながら「昭恵夫人は元気なのか？」と気遣った。

〝マクロン〟ならぬ、超一流のマカロンを頰張りながら貴重な異文化交流を経験した。