ニュース裏表 田中秀臣 悪夢の石破政権、立憲民主党との緊縮連合で延命なら危機的事態に…「年収の壁」引き上げ議論でみえてきた「財務省依存体質」
zakzak by夕刊フジ / 2025年1月7日 6時30分
新年に免じて、私個人の一年の願いを書くことを許されたい。今年の最優先の願いはなにか。それは石破茂政権が一刻も早く瓦解(がかい)することである。これは国民の生活と生命を守るために肝心だと考えている。
理由の一つは、国民民主党が主張する「年収の壁」引き上げ議論でみえてきた「財務省依存体質」である。日本の長期停滞や経済政策の混乱のもとをたどれば、財務省官僚とそれと結託している自民党議員たちのムラ社会的意識に行きつく。「ザイム真理教」というのはよくできたあだ名で、まさに財務省に巣くう連中にとっては、世の中の動きよりも自分たちの価値観だけが至上の真理となる。その姿は、宮沢洋一自民党税調会長の減税への否定的姿勢に典型的である。「増税こそムラの勝利、減税は敗北」とする異様な教義が、ようやく世間の注目を集めてきたのはいいことだ。
経済政策と同様に、石破政権の中国びいきには、危機感を抱く必要がある。岩屋毅外相が訪中し、そこで中国人向けのビザの発給条件を緩和する提案を行った。日本国内では中国人観光客による靖国神社などへの政治的な意図を持った損失行為、NHKでの中国人通訳の政治的で常軌を逸した発言など、それらが中国共産党の歴史教育や政治のあり方によってもたらされたことは周知の事実だ。また、日中外相会談が終わるタイミングで発覚した、日本の排他的経済水域(EEZ)で中国が新たに設置したブイの問題を含め、中国側からの具体的な対処はまったくない。だが、石破政権はビザの緩和や日中の経済交流拡大に積極的だ。
米中貿易戦争からコロナ禍、ウクライナ戦争を経て、日本は中国の抱えるリスクからできるだけ距離をとるべきだとの教訓を得たはずなのに、石破政権のやることはむしろ「媚中」ともいえる姿勢である。
他方で、同盟国の米国、特にトランプ次期政権との距離感は埋まらないままだろう。まるでひと昔前の「悪夢の民主党政権」を再現しているかのようである。
実のところ、石破政権の政治的体質は、「悪夢の民主党政権」を緊縮政策面で継承する野田佳彦代表の立憲民主党と似ている。石破政権が、私の願いよりも延命する可能性があるとしたら、立憲民主党との「緊縮連合」か、日本維新の会も利用した方策かもしれない。それが国内の最大の危機的出来事になろう。
日銀の金融政策は、経済が安定化する前に、利上げスタンスを強める可能性がある。今年が日本社会、経済の危機に陥らないためには、可能性はほぼないが、石破首相が国内外の政策を大胆に転換するか、あるいは世論の力で政権瓦解に追い込むしかないだろう。そのために今年一年も私なりに尽力したい。
(上武大学教授・田中秀臣)
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