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天野秀夫 中小型厳選株 スキマバイトサービス「タイミー」の類似対象として注目「ランサーズ」は低位業績回復株 前期黒字化、今期は最高益更新へ

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月1日 11時0分

少し遡(さかのぼ)りますが前週(22日から26日)の日経平均は、3カ月ぶりの安値となる3万7611円まで売り込まれて8日続落となりました。8日続落は2021年10月以来、2年9カ月ぶりで、週間では2396円(6%)安となり下げ幅・率ともと今年最大でした。下値メドとして意識されていた75日移動平均線も割り込み、上昇トレンドが崩れた形です。

7月11日にマークした史上最高値4万2224円からの日経平均の下落率は10%超に達したことから、FOMC(米連邦公開市場委員会)と日銀金融政策決定会合の結果を受けて、短期的なリバウンドの期待は出てきそうですが、7月上旬までの相場上昇をリードしてきた半導体・ハイテク株の持ち高調整の売り圧力解消には時間がかかりそうです。また、8月はアノマリー(経験則)的に、為替相場が円高方向に振れる季節習性があり、輸出・ハイテク株の上値が重くなる傾向もあります。

波乱相場の渦中で東証グロース市場に、大型案件となるスキマバイトサービスのタイミー(215A)が公開価格1450円に対し初値1850円で新規上場しました。東証グロースではトライアルホールディングスに次ぐ時価総額第2位グループに属する銘柄で、機関投資家の投資対象ともなってきます。8月は「夏枯れ」相場となりやすく、新規上場株特有の需給関係を手掛かりに今後はタイミーの活躍に期待が膨らみます。

このタイミーの有力な類似対象企業である東証グロースの「ランサーズ」(4484)が注目されます。ランサーズは、オンラインだけで完結する企業と個人フリーランスをマッチングするプラットフォームを運営しています。7月22日にはコンサルティング支援のMS&ADインターリスク総研と、IT(情報技術)やDX(デジタルトランスフォーメーション)に特化したプロ人材を企業にマッチングする業務提携を発表しています。

前期に3期ぶりの黒字化を達成して、今2025年3月期連結業績の会社側予想は売上高50億3600万円(前期比10・1%増)、営業利益1億円(同32・6%増)見込みで、2期連続の最高益更新見込みです。8月14日には、今3月期第1四半期(4~6月)期決算を予定しています。

19年12月に新規上場したランサーズは、20年9月に1638円の最高値をつけた後、業績をにらんで株価は調整局面入りとなり、22年以降は株価200円台前半を底値とする低迷相場が続いてきました。直近の株価は260円近辺に位置する低位株です。前期に収益が黒字化したことで下値は固まってきたとみることができます。

タイミーの新規上場で、人材サービス事業会社に関心が向きやすくなった地合いが味方となります。相場全体が波乱のムードを内包しているだけに、ランサーズのような下値不安が少ない低位業績回復銘柄は、8月の夏枯れ相場で、活躍余地が大きく広がってくる期待が膨らんでいます。

■天野秀夫(あまの・ひでお) 日本大学法学部卒。1987年4月、日本証券新聞社に入社。記者、編集局長などを経て、代表取締役社長を12年近く務める。2017年4月、独立。証券・金融界、上場企業経営者とのパイプを生かし金融リテラシーへの貢献を目指す。

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