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ジャンボ尾崎 イン・ドリームランド ジャンボ尾崎が〝秘蔵っ子〟西郷真央に与えた金言 米ツアー新人王 ストイックな性格…悩み吹っ切れ初V+その後大躍進

zakzak by夕刊フジ / 2024年12月19日 6時30分

ジャンボ尾崎(夕刊フジ)

11月25日、うれしいニュースが飛び込んできた。米女子ツアーで西郷真央(23)が今季の「ルーキー・オブ・ザ・イヤー」に輝いたのだ。

日本人がこの賞を獲得したのは、1990年の小林浩美以来2人目。62年に制定されA・ソレンスタム、C・ウエブ、L・オチョア、P・クリーマー、申ジエなどが名を連ねている。

西郷は昨年12月の米ツアー最終予選会をパス。その時点で「新人賞獲得、ツアー優勝」を目標に掲げていた。そして米ツアー初参戦の今季は29戦に出場してCPKC女子オープンでは優勝を目前にしながら2位などトップ10入り7回。新人賞のトロフィーを抱きながら西郷はこんなコメントを述べている。「年末には(師匠の尾崎のもとへ)あいさつに行って、今年の結果報告と来年の目標をきちんと伝えます」

西郷は「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミー」の第一期生。それ以前から自宅の千葉県船橋市から近い憧れの尾崎の練習施設に出入りし指導を受けた秘蔵っ子でもあった。

千葉・麗澤高3年の2019年に「日本女子アマ」で優勝し、同年のプロテストに一発合格。コロナ禍で年をまたいだルーキーイヤーの20―21年はトップ10入り21度、賞金レースでは堂々の4位。ただなかなか優勝できなかったことと、元々ストイックな性格もあってかなり悩んでいた。

尾崎はそれを見抜いていた。尾崎の指導は上から強制的に持論を押し付けるのではなく、個々の性格、体質、体力、長所、短所を見極めて、能力を引き出すのが特徴だった。ストイックな性格は完璧を目指して自分を追い込みがちになる。

西郷がそんな悩みを打ち明けると、まず打たせて「そのショットが打てれば大丈夫だ」「お前はこれだけの成績を挙げてるじゃないか。それだけでも胸を張れ」と褒める。これはおだてや甘やかしではない。西郷のような性格は自分が認められ、納得すれば伸びるということを知っているからだ。事実技術的にはまったく問題がなかった。

ただし悩みを吹っ切らせるために、「お前の力はこんなものか。もっと振れば、さらに飛んで可能性は大きくなるぞ」と、身体を使ってフルパワーが出せるスイング作りを課している。こうした指導で22年は開幕戦で初優勝を挙げるや、以後10試合で5勝という大躍進を遂げた。

一言が大きな影響をもたらす。それこそがカリスマ指導者のなせる業だ。成果報告に訪れる西郷に次の目標の「米ツアー初優勝」に向けて師匠尾崎はどんな秘策を語るのか、それは2人にしか分からない。 (ゴルフジャーナリスト・宮崎紘一)

=敬称略

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