八幡和郎 亡国宰相 トランプ氏には繊細かつ周到な対応が必要 「鎖国脳」石破首相の語学力や社交術〝外交能力の欠如〟鳩山元首相の二の舞の懸念
zakzak by夕刊フジ / 2024年12月17日 6時30分
「石破外交」は危惧されていた以上に、国を滅ぼしかねない。保守派の人々は、中国や韓国に融和的過ぎることを問題視してきたが、私は安倍晋三元首相の後継が議論され始めたころから、石破茂首相の語学力や社交術など「外交能力の欠如」こそ心配だと指摘してきた。
夕刊フジにも2020年8月、「石破氏は国際経験が乏しく、もっと自ら外遊して海外の要人と会ったり、彼らが集まるスイスのダボス会議などに出かけて、英語でスピーチなどをすべきである」「回りくどい話しぶりも良くない。ドナルド・トランプ米大統領には、韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と同じように嫌われ、日本の国益を守れないだろう」と書いた。別のメディアには、「5分で電話を切られそう」と語った。
9月の自民党総裁選の9候補のなかで、石破首相だけが英会話ができず、石破首相と加藤勝信財務相以外はすべて米国留学経験者だった。これだけ国際化人材がそろっているのに、唯一、「鎖国脳」の石破首相を選んだ自民党はどうかしている。
トランプ次期大統領には私の予言通り、5分で電話を切られた。日本政府は早期会談を提案したが、「来年1月の就任式まで外国首脳とは誰とも会わない」と断られた。
だが、カナダのジャスティン・トルドー首相や、アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領は、米フロリダ州にあるトランプ氏の別荘に呼ばれた。フランスのエマニュエル・マクロン大統領から、パリのノートルダム大聖堂の復興式典に招待されて、トランプ氏は集まった各国首脳と会談している。
石破首相は電話会談の後、「本音で話せそうだ」と語ったが、国益を背負って外交を行う国家のリーダーとしては楽観的過ぎる。
盟友関係を築いた安倍氏や、ゴールドマンサックス時代にビジネスで会った公明党の岡本三成政調会長は、トランプ氏はいい気分にさせたうえで、「ただ、実は数字を見ると…」と繊細かつ周到に説得すべき人物だと語っている。そういう蓄積を無視するのか。
石破首相は20年7月、日経新聞主催のイベントで、「(米国と中国のいずれか)二者択一の立場は取らない」と、鳩山由紀夫元首相並みに物騒なことを言ったと報じられた。いくらじっくり話をするのが好きだからといって、「安倍外交からの方針変更」と受けとられる危険性がある発言は、国際的信用にかかわるから言うべきでない。
特に、トランプ氏相手では、「石破首相=親友だった安倍氏の敵対者」であることを思い出させる発言は禁句だろう。
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