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BOOK 出産、育児で中断も…消えなかった書きたい気持ち 桜井真城さん『雪渡の黒つぐみ』 キリスト教の「〝裏歴史〟を書いてみたかった」 

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月24日 10時0分

――会話の部分が「岩手弁」になっているのがユニーク

「私は、岩手県でも(本作の舞台より)南の地域の出身なのですが、地元だし、せっかくなら、会話の言葉も方言にして『土地の雰囲気』を出したいと思ったのです。分かりづらい、という指摘もあったので、少し修正したところもありますけど」

――時代小説を書く作家は多い。どこで差別化を図りますか

「私自身、時代・歴史小説に〝食わず嫌い〟でした。以前は現代もののミステリーをよく書いていたんですが、時代ものと現代ものの両方を書けるのは強みになるというアドバイスで時代小説を書き始めたのです。とっつきにくいという読者もいるでしょうから、あまり堅苦しいものにはしない、できるだけ現代人に近い感覚にしたい。時代小説はどうしても説明の部分が長くなり、それだけで飽きてしまう読者もいるので、テンポの良さも大事ですね」

――これからも時代小説で行きますか

「そうですね。現代もののミステリーもまた書いてみたい。時代ものを書いていると、現代ものが書きたくなり、その逆もしかりです」

――今はまだ会社員との〝二足のわらじ〟

「まだまだ修行の身ですから(苦笑)」

■『雪渡の黒つぐみ』講談社・1980円(税込み)

江戸時代…東北・南部藩につかえる忍者・望月景信は「どんな声色もできる」というスゴ技の遣い手だ。対立する伊達藩の忍者とせめぎ合う中で、女忍者の紫野(しの)が何者かに殺される。禁教となったキリスト教徒(伴天連)が籠る白根金山に乗り込んだ景信は、遊女として売られてきた〝ナゾの女〟鈴音に紫野の面影を重ねる。暗躍する宗教人の影。そこに隠された巨悪なる陰謀とは…。

■桜井真城(さくらい・まき) 1979年、岩手県出身。45歳。明治大学法学部卒。出産、育児のブランクを経て、会社員の仕事のかたわら書いた本作で第18回小説現代長編新人賞を受賞して、作家デビュー。

取材・南勇樹/撮影・酒巻俊介

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