バフェットの次を行く投資術 ベンジャミン・グレアムの著書から学んだ2つの教訓 バフェットが20歳の時に読み…衝撃を受けた『賢明なる投資家』
zakzak by夕刊フジ / 2024年8月2日 6時30分
ベンジャミン・グレアムは、バフェットの師匠として有名な人物だが、20歳の時に彼の著書『賢明なる投資家』を読んだバフェットは雷に打たれるような衝撃を受けたそうだ。それまではチャート分析や短期売買など、現在のバフェット流とは全く異なった投資スタイルであったのだが「このままでいいのだろうか」という悩みを抱えていた。その悩みを晴らしてくれたのがグレアムの著書であったというわけだ。
バフェットがこの本から学んだ核心部分として2つのポイントを上げている。①安全余裕率②ミスター・マーケットだ。
①は、「適正価格よりも、(万が一のことを考えて)さらに余裕をもって安い値段で買う」ことである。バフェットが投資で大きく成功できるのは、「適正価格」で慌てて購入するのではなく、「充分な安全余裕率のある価格まで株価が下がる」のを忍耐強く待つからだ。もし、「安全余裕率」を持った価格まで下がらなければ「投資を見送る」勇気を持っているのがバフェットである。バフェットに言わせれば「投資は見送り三振がない野球」だ。
②は、株式市場を擬人化した言葉である。ミスター・マーケット(市場)は、株価が上昇して機嫌が良い時には、どこまでも浮かれ、どんどん資金を投入して株式を買い集める。逆に、株価が下落して不機嫌になると、ついにはまるでこの世の終わりが来るかのようにふさぎ込む。そして高値で買い集めた株式を二束三文で売り払ってしまう。
このミスター・マーケットに対処する方法は簡単である。彼(市場)が落ち込んでいるときに投げ売りしている株を大量に買い集め、逆に有頂天になっているときに高値で売りつけるのである。バフェットはそのようにして大きな利益を得ているのだ。だが、これは「言うは易く行うは難し」の典型である。バフェットでさえ、今でもグレアムの著作を読み返して「自分を戒める」ことがあるそうだ。 (人間経済科学研究所、国際投資アナリスト・大原浩) =敬称略
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