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徹底解説・第3弾 男性更年期・治療と予防 ゆるやかな糖質制限で「排尿障害」防ぐ テストステロンが関係 野菜摂取で肥満・メタボ・更年期障害を同時に解消

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月15日 10時0分

uMIST東京代官山の斎藤恵介院長(夕刊フジ)

uMIST東京代官山 斎藤恵介院長に聞く

肥満やメタボリックシンドロームと男性ホルモンのテストステロンの低下は、双方向に関係している。肥満やメタボになれば、テストステロンの分泌量も減り、テストステロンが減ると体重が増え、生活習慣病も後押しされる。そして、もうひとつ、排尿障害にも関わるという。

「テストステロンの分泌量が減ると、抗利尿ホルモン(バソプレシン)の受容体の感受性の低下や分泌量が減り、夜間多尿を起こしやすくなります。一方、肥満やメタボでは、膀胱の柔軟性が失われ、尿意を感じやすくなり、体外水分均衡の不均衡が起こりやすく夜間多尿につながります。肥満とメタボ、テストステロンの分泌量の減少が合わさることで、排尿トラブルを起こしやすいのです」

こう指摘するのは、「泌尿器・日帰り手術クリニック uMIST東京代官山―aging care plus―」(東京都渋谷区猿楽町)の斎藤恵介院長。順天堂大学医学部附属病院にも所属し、日本メンズヘルス医学会のテストステロン治療認定医・サルコペニア指導士でもある。

国内では、肥満に該当するBMI(体格指数=体重kg÷身長m2乗)25以上の人は、男性で約3割、女性で約2割(厚労省2019年「国民健康・栄養調査」)。肥満でテストステロンの分泌量が減り、夜間頻尿に陥るなど、男性更年期障害を知らぬ間に抱えた人がいる可能性がある。

「男性ホルモンの改善はとても大切で、ダイエットも男性ホルモンを上げる一つの方法です。脂肪が増えるとテストステロンが低下することも知られています。また、内臓脂肪で膀胱や尿道が圧迫されると、尿意を抑えられず、尿失禁になりやすい。私がお勧めしているダイエット法のひとつは、ゆるやかな糖質制限です」

糖質は、ご飯やパン、麺類、菓子や果物などに含まれる。糖質をたくさん摂ると、中性脂肪に変わって内臓脂肪として蓄えられ、肥満やメタボにつながる。糖質を抑えると中性脂肪の蓄積が抑えられる。

ただし、極端な糖質制限は逆効果。テストステロンはコレステロールを原料に合成されており、その合成に糖質は欠かせない。肉類中心の極端な糖質制限を続けていると、テストステロンの分泌量が減ってしまう。

「肉類に偏った食事は、腎臓にも負担をかけるのでよくありません。テストステロンの分泌量を増やす栄養素は、タンパク質、亜鉛、ビタミンDです。ゆるやかな糖質制限で、肉類や魚類、野菜などをバランスよく摂りましょう」

野菜では、ニンニク、黒しょうが、ブロッコリー、ホウレンソウ、カボチャ、セロリ、セリ、タマネギ、アボカドなど。ニンニクは、肉などのタンパク質と一緒に摂ると、テストステロンが増えやすいといわれる。野菜もしっかり食べると、肥満・メタボ・男性更年期障害の3つの同時解消が期待できる。

「食生活の見直しは、尿トラブルからの解放にもつながります。今日から食事や運動を意識しましょう」と斎藤院長はアドバイスする。 (取材・安達純子)

斎藤恵介(さいとう・けいすけ) 「泌尿器・日帰り手術クリニック uMIST東京代官山―aging care plus―」院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科講師。静岡県立がんセンター、帝京大学附属病院泌尿器科講師、ハーバード大学留学、順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科准教授などを経て2023年7月から現職。著書に『頻尿・尿もれがみるみる改善する食べ方大全』(文響社)。

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