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バフェットの次を行く投資術 長年の積み重ねで業態転換成功の「富士フイルムHD」急速な時代の変化への対応は「お手本」 かつて「世界の巨人」コダックは破綻も

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月20日 11時0分

今や銀塩写真市場は壊滅状態といえよう。かつて、富士フイルムホールディングス(HD、4901)をしのぐ「世界の巨人」であったコダックは、2012年に破綻した。しかし、富士フイルムHDは「フイルム」という名前を社名に残しながらも、その事業範囲を広げ、勢いを保っている。

1990年代のIT・インターネット革命によって、写真フィルムどころか、(デジタル)カメラでさえスマートフォンにとって代わられる時代だ。そうした急速な変化に対する同社の対応は、まさに「お手本」と言ってよいだろう。銀塩写真分野でさえ、チェキのようなインスタントカメラのニーズをくみ取り健闘している。

同社にとって62年に英ランク・ゼロックス(現米ゼロックス完全子会社)と提携したことが大きい。銀塩写真以外の分野への進出と海外企業との提携を60年以上も前に行っていたのだ。

トヨタ自動車のルーツが豊田自動織機にあるのは有名だ。その豊田自動織機も、現在繊維機械は申し訳程度に生産しているだけで、産業車両と自動車分野が売り上げのほとんどを占めている。

日本メーカーの強みは、高い技術力と「日本品質」である。このベースはどのような商品の生産にも応用が利くから、業態転換は比較的容易である。

例えば富士フイルムの化粧品であるアスタリフトには、銀塩写真製造で磨かれた「(写真フィルムの主成分である)コラーゲン研究」「(フィルムの成分を正しく配列させるための)ナノテクノロジー」「(写真の色あせを防ぐための)抗酸化・紫外線防御技術」「(光を記録する写真から派生した)光解析・コントロール技術」が活用されている。

現在主力といえるヘルスケア分野でも、36年の医療用レントゲンフィルム発売以来、MRI、内視鏡、超音波診断、Ⅹ線撮影などで「画像」診断技術が生かされている。危機がやってきてから泥縄式で行うのではなく、長年の積み重ねの上で業態転換を行うから成功するのだ。 (人間経済科学研究所、国際投資アナリスト・大原浩) =敬称略

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