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〝全身全霊〟高市早苗氏が新年の抱負「世界一安全な日本」を取り戻す 治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会で積極提言

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月6日 15時30分

「仮装身分捜査」は、警察官が身分を隠して犯人側に接触する手法だ。現状では、偽の身分証で身元を証明する行為が公文書偽造罪などに問われかねない。提言は、捜査員が偽の身分証を使う捜査が、刑法35条の「正当業務行為」であることを明確化し、捜査員の安心を確保するガイドライン策定も要望した。

犯罪者からは〝ツール〟も奪い取る。求人では本来、職業安定法などに基づき、求人者の身元や業務内容などを具体的に明示することが求められている。闇バイトはこれらのルールを完全に無視しているのだ。職業安定法の徹底を前提に、職業紹介サービスの提供事業者には、違法性のある求人情報を排除してもらう。

■他国製防犯カメラやドローンにも警戒を

そして、社会を守る「目」としての防犯カメラ拡充だ。防犯カメラは犯罪抑止や事件捜査で絶大な威力を発揮する。新しい地方経済・生活環境創生交付金では「地域防犯力の強化」を推奨事業として明示し、地方創生臨時交付金のメニューとしても活用を自治体に推奨する。効果的な防犯カメラの設置場所の厳選を進め、民間に対しても啓発や協力を働きかける。

「これらの課題を関係省庁で議論したが、法制度や実際の捜査を司(つかさど)る法務省、警察庁をはじめ各省庁の意識は共有されていた。国民の安全を守る現場の捜査員が困らないよう、明確な道筋を立てた」

提言を取りまとめるなか、国内外の幅広い安保上の課題も再認識したという。

「他国製の防犯カメラを公的機関に設置すれば、情報流出や『監視』などセキュリティ上のリスクが生じる。自治体にも、こうした懸念に留意していただきたい。さまざまな安全保障は重要度や規模感を問わず結びついている。基幹インフラに対するサイバー攻撃への対処などを含め多角的な視点で臨むのが大事だ」

政界屈指の保守派として知られ、「日本初の女性宰相」の期待も高まる高市氏だが、新たな年に何を目指すのか。

「昨年の通常国会で、経済安全保障推進法改正が実現した。だが、厚生労働省の抵抗が強く、基幹インフラに『医療』が盛り込まれなかった。医療分野の情報連結が加速する局面で、命に直結する医療のサイバーディフェンスは必須だ。また、サイバー攻撃に能動的に対処する『アクティブサイバーディフェンス』も重要な争点だ。災害対応などで活躍の場面が増えるドローンにもサイバーセキュリティの観点が不可欠だ。他国製ドローンが増えているが、いわゆる『懸念国』による運行妨害や乗っ取り、搭載したカメラを通した情報窃取にも注意すべきだ。日本を取り巻く情勢は、さらに緊張感が高まっている。さまざまな場面で、国民の皆さまの安心と安全を守ることに取り組みたい。大切な命や財産を守るという原点に立ち返り、少しでも安心感を持ってもらえる具体策を打ち出していきたい」

■高市早苗(たかいち・さなえ) 1961年、奈良県生まれ。神戸大卒。93年の衆院選に奈良県全県区(当時)から無所属で出馬し初当選。96年に自民党入りした。科学技術政策担当相、総務相、党政調会長、経済安保相などを歴任。当選10回。著作に『ハト派の嘘』(産経新聞出版)、『美しく、強く、成長する国へ。私の「日本経済強靱化計画」』(WAC)、『日本の経済安全保障』(飛鳥新社)など。

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