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川尻哲郎「TIGER STADIUM」店主敬白 うらやましい青柳昇洋君のメジャー挑戦 川尻哲郎氏も現役時代、当時の球団社長に直訴も…「若手育ってから」と聞く耳なし

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月13日 6時30分

青柳の今季最終登板となった9月30日のDeNA戦(甲子園)。これが阪神での見納めとなるのか(夕刊フジ)

手前味噌ながら何事もやってみるもんだ、と思いました。今年の11月は昨年と違い、阪神タイガースの試合はとっくの昔に終了。私の店も閑古鳥の危機でしたが、前阪神1軍打撃コーチの今岡真訪君をゲストに呼んだ2日の「OB祭り」がSNSの告知効果もあって盛況に終わってからは、客足が伸びてくれました。

お客さんの話を聞けば「いつも混んでいると思っていたから来なかった」「シーズン中は忙しくてこられなかった」なんて声が意外に多いというのも分かって…。平日でも店内は活気を取り戻し、ホントうれしかったです。

先週は他にもうれしいことがありました。私と同じ右の変則サイド投法の青柳昇洋投手が、ポスティングシステムの利用を球団に認めてもらい、メジャー挑戦を表明したからです。

何を隠そう、この私も阪神でノーヒットノーランを達成し、オフの日米野球でも零封快投を披露した1998年に、思い切って当時の球団社長にメジャー挑戦を直訴したことがあります。しかし、チームが暗黒時代の真っ只中だったため、「若手が育ってからや」と全く聞く耳なし…。

そもそも当時はポスティングの制度もできたばかりで、球界全体として今ほどの理解はなく結局、私はメジャー行きを断念することとなりました。それだけに同じタイプの後輩、青柳君の挑戦はうらやましい…いや、楽しみで仕方ないです。

今年はまとまり過ぎている感じはあったけど、まだ30歳と若いし、体が丈夫。入札前で契約がどうなるか、先発か中継ぎかも分かりませんが、真っ直ぐには力があるし、覚えたカーブも良くなっている。あとはシンカー、シュートなどの変化球の精度を上げながら組み立てていけば、向こうも投手不足だし、成功する可能性は高いです。

よく言われる制球難も先に阪神から海を渡った藤浪ほどではないし、彼の投げ方ならメジャーは少々のボール球でも振ってくれるはずだし、ストライクゾーンもこっちより広い。何よりマイナー契約でも辞さない、本人の不退転の決意が実に頼もしいです。

それにしても我が身を振り返ると、もしもあのときメジャー移籍が実現していたら―。今ごろ懐はガッポリで、この店もやってい…なんて全くボヤいてはおりません(笑)。店主として今後も精進して参ります! (元阪神投手、スポーツバー店主)

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