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さらば、夕刊フジ 中国の脅威実感する沖縄「王様は裸だ」告発してきた硬骨の報道機関 「オール沖縄」礼賛する主要メディア、県政の統治能力に疑問符

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月27日 6時30分

仲新城誠氏(夕刊フジ)

八重山日報編集主幹・仲新城誠氏

沖縄は日本の安全保障を左右する要衝だ。だが、沖縄をめぐって全国的に喧伝されている情報は「政府が美しい海を埋め立てて新基地建設を強行し、沖縄県民を虐げている」という内容が大部分を占める。これは県紙「沖縄タイムス」「琉球新報」をはじめとする沖縄の主要メディアが発信する報道に基づく。

しかし、同じ沖縄でも、国境の島である八重山諸島から見ると、光景はずいぶん違う。

石垣市の行政区域である尖閣諸島周辺では、「日本の実効支配打破」を公言する中国の艦船が領海侵入を繰り返し、地元漁船を威嚇している。日本最西端の与那国町は台湾と約110キロの距離しかなく、「台湾有事は日本有事」の不安がいつ的中してもおかしくない。

沖縄本島の米軍基地負担は深刻な問題だが、中国の軍事的脅威を実感する離島住民の声も全国に伝えたい。

私は2013年から夕刊フジで「沖縄が危ない」というタイトルで連載の機会をいただき「離島目線」のリポートを10年以上続けてきた。

改めて気づいたのは、沖縄の政治や言論の異常さだ。米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設問題が「オール沖縄」と呼ばれる県政によって政争の具にされ、反基地運動がかえって県民の基地負担軽減を妨げている。

政府が辺野古沿岸を埋め立て「新基地建設」を進めているという言説も虚構だ。反基地イデオロギーに染まった沖縄メディアの巧妙なプロパガンダでしかない。

中国の影が年々不気味に忍び寄る沖縄で、この無法状態が長期化すれば、危機はさらにエスカレートする。事実、「オール沖縄」県政は10年に及び、懸念は現実のものとなった。今、中国は尖閣周辺海域で艦船の常駐化と武装強化をいっそう進め、日本は防戦一方だ。

台湾周辺の緊張も激化している。離島住民は武力攻撃に備えた避難訓練や、シェルター整備の取り組みを余儀なくされている。

ところが、「オール沖縄」県政は基地反対を叫ぶばかりで、対応能力を著しく欠く。辺野古移設問題をめぐる最高裁判決の無視、米国ワシントン事務所の違法運用といった不祥事も続き、統治能力に大きな疑問符がついた。

だが、沖縄主要メディアはいまだに「オール沖縄」礼賛を続ける。

夕刊フジは、沖縄と本土の分断を図る勢力と対峙(たいじ)し、県政や主要メディアに対し「王様は裸だ」と告発してきた硬骨の報道機関だ。

この大事な時期にその発信が途絶えるのは、沖縄の将来を憂う人に大きな喪失感をもたらす。この国の将来にも損失だ。私も無念の思いを味わっている。

闘うべき沖縄の歪(ゆが)みはまだまだ残っている。夕刊フジの精神を胸に前進を続けたい。日本のために。

■仲新城誠(なかしんじょう・まこと) 1973年、沖縄県石垣市生まれ。琉球大学卒業後、99年に地方紙「八重山日報社」に入社。2010年、同社編集長に就任。現在、同社編集主幹。同県のメディアが、イデオロギー色の強い報道を続けるなか、現場主義の中立的な取材・報道を心がけている。著書に『「軍神」を忘れた沖縄』(閣文社)、『翁長知事と沖縄メディア 「反日・親中」タッグの暴走』(産経新聞出版)、『偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する』(同)など。

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