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年金世代・予備軍「シニアの居場所」 物価の安い「トカイナカ」で年金減少に備える 都会の利便性と田舎暮らしが両立、60歳までに「終の住み家」を確保せよ

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月18日 15時30分

(夕刊フジ)

現在も年金保険料を納めている年金予備軍世代の人は、将来の給付額が気になるかもしれません。

先日、公的年金の財政状況をチェックし、将来の給付水準の見通しを示す「財政検証」の結果が公表されました。報道によると、現在のモデル世帯年金額は22万6000円。現役世代の平均月収37万円に対する所得代替率は約61%です。

そして今回の発表では、過去30年間と同程度の経済状況が続いた場合、年金の給付額は目減りするものの、現役世代の平均収入の50%以上は維持できるとしています。

しかし経済が悪化し、成長率がマイナス0・7%に落ち込むケースでは、国民年金の積立金が2059年度に枯渇し、所得代替率は3割台に落ち込むという悪いシナリオも示されています。

今後、超少子高齢化が進むわが国において「過去30年間と同程度の経済状況が続く」という見通しは素直には信じがたいのではないでしょうか。どうしても最悪のシナリオを意識してしまいます。

早くから年金の支給額縮小に警鐘を鳴らしていたのが、現在闘病中の経済評論家、森永卓郎さんです。森永さんは、『老後破産しないために、年金13万円時代でも暮らせるメタボ家計ダイエット』(扶桑社)を書き、年金の支給額が将来は夫婦で月13万円台になると予想していました。

月13万円だけの年金で夫婦が生活していくのはかなり厳しそうです。年金以外の収入を増やそうと多くの人が思うでしょう。しかし森永さんは、稼ぐことより、「月13万円で夫婦が生活していくモデル」を考えた方がいいと述べています。

そのひとつの方法として、森永さんは「物価の安い〝トカイナカ〟に住む」ことを勧めています。トカイナカとは都会の利便性と田舎暮らしが両立している地域を指す造語です。都心から1―1・5時間程度のエリアを指すことが多いようです。

森永さんは、60歳までに「終の住み家」を確保すべきだと書いています。具体的に首都圏で言えば、埼玉や千葉の郊外にある駅からバス便で行くような安い中古マンションでいいとのことです。要は住居費を極力なくすということでしょう。

森永さんは、実際にトカイナカと称する埼玉県所沢市の郊外に居を構えて、野菜作りを実践。その経験をもとに、コロナ禍の時期に『森永卓郎の「マイクロ農業」のすすめ』(農山漁村文化協会)という書籍を出版しています。

また、少し前の書籍ですが、IT企業、アシストの創業者であるビル・トッテンさんがリーマン・ショック後の2009年に出版した『年収6割でも週休4日という生き方』(小学館)では、いつか来る経済の破綻に備え、同社の社員には農業やDIYなど自給自足生活ができる副業を勧めるとしていました。

会社が危機に陥ったとき、社員の解雇はしないけれど、休日を増やすので、それを利用して食べものなどは自力で確保できるようにしてほしいということでしょう。

「趣味で市民農園をやってるよ」という人も多いでしょう。しかし今後、近くの畑で野菜を育てる作業は、もはや趣味にとどまらず、自分の身を守る行動のひとつとなっていくかもしれません。

■藤木俊明 副業評論家。自分のペースで働き、適正な報酬と社会とのつながりを得ることで心身の健康を目指す「複業」を推奨。著書に『複業のはじめ方』(同文舘出版)など。

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