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〝低支持率・植田ショック〟で撃沈 岸田首相の総裁選不出馬 政局加速もなぜ? 自民議員「引責なら遅すぎる」重鎮は三くだり半も

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月15日 11時49分

総裁選への出馬断念を表明した岸田首相 =14日(夕刊フジ)

岸田文雄首相が14日、自民党の次期総裁選への不出馬を表明した。再選に強い意欲があるとされていただけに、永田町では唐突な断念に困惑と驚きが広がった。背景に何があったのか。関係者らの〝証言〟からは「得意の外交」が評価されず、目玉に掲げた「金融資産所得の拡大」も株の大暴落で暗転し進退窮まった姿が浮かび上がる。一方、再起を期する腹づもりもあるようだ。政局が加速するなか、思惑が交錯している。

「組織の長として責任を取ることに躊躇(ちゅうちょ)もない」「私が身を引くことでけじめをつけ総裁選に向かっていきたい」

岸田首相は14日午前、急遽(きゅうきょ)行われた記者会見で、派閥裏金事件など山積した不祥事への〝引責〟を撤退理由に挙げた。だが額面通りに受け取る向きは少数のようだ。

岸田首相と距離を置く自民党議員はこう切り捨てる。

「引責なら遅すぎる。内閣や自民党への強烈な批判は、岸田首相の場当たり的な政権運営や、党のガバナンス欠如が最大の要因だ。要は『心が折れた』ということだろう」

何が〝トドメ〟になったのか。

ジャーナリストの鈴木哲夫氏は「通常国会閉会後も岸田首相は意欲満々だった。周辺は『8割で出馬』と見ており、想定外だ」と前置きしたうえで、要因の一つに〝植田ショック〟をあげる。

「一向に上がらない内閣支持率がジワジワと効いた。経済政策でも、日銀の利上げで株の大暴落を誘発し、目玉政策だった新NISA(少額投資非課税制度)などに投資する国民の怒りが大爆発した。暴落直後には側近らが驚くほど弱気になっていたようだ」と語る。

別の目玉政策も評価されなかった。

政治評論家の有馬晴海氏は「『得意の外交』で得点を稼ごうとしたが具体的な成果がなかった。訪米でのカウンターパートだったジョー・バイデン大統領も大統領選から撤退し、一連の外交にも国民の支持は集まらなかった。岸田首相周辺からも厳しい声が上がり現実を悟った」と分析する。

鈴木、有馬両氏は、岸田首相が頼りにする〝重鎮〟の三くだり半もポイントとみる。

有馬氏は「主流派として政権運営を支えた麻生太郎副総裁が、総裁選支援を確約しなかった。麻生氏は唐突な派閥解消や根回しのない政治資金規正法の改正に激怒した。岸田首相は立て続けに会食するなどしたが、関係は改善しなかったのだろう」と指摘する。

鈴木氏も「選挙の連敗で自民党の地方組織に岸田支持の声は少ない。頼りの麻生氏が『お前を推す』と言わなければ、総裁選で惨敗もあり得る。厳しい現実を実感したのだろう」と語る。

ただ、岸田首相はあきらめるつもりはないようだ。首相周辺は「不出馬は『攻めの決断』」と含みを持たせたという。どういうことか。あるベテラン議員はこう分析する。

「再起して長期政権を築いた安倍晋三元首相のように、いずれは再び総理総裁を目指す意欲があるということではないか。そのためには総裁選でも『闘う』姿勢を示す必要がある。自身は出馬しなくても、主導権を握るためさまざまな仕掛けを狙うだろう」

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