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大鶴義丹 やっぱりOUTだぜ!! オッサンは美顔加工アプリ厳禁 若い世代は無加工の自分を晒すのが恥ずかしいという感覚 感じるある種の「依存性」

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月2日 15時30分

舞台演劇は、演劇カンパニーや劇団などが、毎回その作品に合わせて役者たちを集める。

もちろん常連組もいれば、そのときだけのワンタイムもいる、いわば、ごった煮の「外国人部隊」のようなものだ。

2カ月近くの時間を一緒に過ごすので、もめることもたまにあるが、大抵は仲良くなることが多い。

こういう時代である、ほとんどの役者はSNSをやっている。当然、互いのSNSで、その芝居の宣伝をし合うことが当たり前だ。

しかし、若い世代の女子SNSに出ると、彼女たちは100%顔を修正アプリで加工する。

女性用の美人顔アプリなので、化粧をした女性の顔をキレイにするための機能に特化している。

その機能により、彼女たちの顔はキレイに「盛られて」いく。

しかし、である、そこにオッサンの顔が混じり、同時に加工されてしまうと、気味の悪い「キユーピーちゃん」のような顔になってしまう。

最初はその結果を理解できずに、まあ仕方ないと思って放置していたのだが、若い女優さんたちのSNSに交じっている自分の顔写真がどうしても気味が悪い。

しかも、人気のある女優さんなどは数十万のアクセスがあることも珍しくはなく、そんな数の方たちに自分の気味の悪い「ご尊顔」を披露することになる。

「オッサンは加工アプリ厳禁」

最近はそれが分かっているので、その手のSNSに交じるときは、その趣旨を説明する。

だが不思議なことに、若い彼女たちは加工アプリによってオッサンが奇怪に変化するということを、意外に知らない。

「言われてみれば、確かに」と大笑いする。またはそういう変化が当たり前になっているのかもしれない。

だが、私たち世代の肌感覚以上に、美顔加工アプリは彼女たちの心の奥に居座っている。

その手の機能の影響がSNSの利用者自身の心にダメージを与えるというような警鐘は少し前からあった。

しかし、今や、「無加工の自分」をSNSに出すのが恥ずかしいという感覚のほうが、逆に当たり前となっている。

化粧の延長程度ならばいいが、ある種の「依存性」を感じる。しかも、いよいよ若い30代の男子までも、その感覚が当たり前となってきた。

若い世代とそのことについて軽い議論をしたこともある。だが昭和脳にはどうしても理解できない感覚がある。

私たちにとって、SNSはあくまで実生活のオマケのようなものなのだが、彼・彼女たちにとってはその比率が少し違うようだ。

私の感覚としては、美顔加工しても、それは仮面やカツラをかぶっているようなものなので、実生活にとって大したメリットがないと思ってしまう。

だが、実生活とSNSの価値観の比率が変わってしまったと仮定すると、確かに美顔していないのは「由々しき問題」だろう。

余談だが、私は「ヅラ」には反対派だ。理由は自分の体に対して正直でいないと、自分そのものを見失ってしまう気がするからだ。

しかし、その正直さは、ネット空間においては無意味なのかもしれない。

■大鶴義丹(おおつる・ぎたん) 1968年4月24日生まれ、東京都出身。俳優、小説家、映画監督。88年、映画「首都高速トライアル」で俳優デビュー。90年には「スプラッシュ」で第14回すばる文学賞を受賞し小説家デビュー。NHK・Eテレ「ワルイコあつまれ」セミレギュラー。

7月7日まで、東京・俳優座劇場で上演中の「帰って来た蛍~永遠の言の葉~」に出演。7月19~21日には東京・浅草公会堂で上演の松井誠PRODUCE公演「月夜の一文銭」に出演。

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