民法各局が重要視「コア視聴率」狂想曲 ママタレ、ギャルタレ、ユーチューバー、インフルエンサーのテレビ出演増の背景
zakzak by夕刊フジ / 2024年12月19日 6時30分
近年のテレビ業界ではママタレントやギャルタレントが存在感を放つ一方、ユーチューバーやインフルエンサーの活躍も目立つ。彼らが活躍する背景には、テレビ業界が重要視する〝コア視聴率〟の存在がある。
バラエティー番組をはじめ情報番組やクイズ番組でも目にする機会が多いママタレントやギャルタレントは、今やテレビ業界では貴重な戦力として認知されている。
「実際には女優だったり、モデルだったり、歌手だったり、芸人だったりといった〝本業〟を持つ人が大半です。それでも、ことテレビ業界の枠組みの中では、本業よりもママやギャルとしてのニーズのほうがあるというのが実状です」(放送作家)
最近ではSNSやユーチューブを主戦場とするユーチューバーやインフルエンサーの出演も増えているが、その背景にあるのが2000年代半ばから意識されはじめ、近年とくにテレビ業界が重要視する「コア視聴率」の存在だ。
「コア視聴率」とは概ね13歳から49歳までの個人視聴率を指す。コア層は購買意欲が高いとされ、広告業界ではターゲットとして注目されていたが、テレビ業界でもスポンサーの獲得などの観点から編成や制作においても重視されている。
「ネットの普及に端を発した若者のテレビ離れが叫ばれて久しいですが、19年にネット広告費がテレビを抜いて以降、『コア視聴率』への意識がより顕著になっている印象です。コア層の中でも、特に女性視聴者のウケがいいタレントが重宝されており、逆に女性視聴者ウケの悪いタイプ、分かりやすく言えば〝不倫芸能人〟は敬遠されがちで、なかなか復活は難しい状況です」(テレビ誌ライター)
もっとも「コア視聴率」が跋扈する風潮に疑問を感じているテレビマンも少なくないという。
「シビアな話、どんなに『コア視聴率』を意識したところで番組自体を見てもらえなければ意味がない。若い世代のテレビ離れは年々拍車がかかっていますし、『テレビを日常的に見ない世代』はどんどん広がっているわけです。それなら、今もテレビを身近な存在と感じ、視聴習慣のある世代に向けた丁寧な番組作りに注力したほうがいいんですけどね」(番組制作会社スタッフ)
前出の放送作家も同意する。
「そもそも『コア視聴率』を意識しすぎるあまり、〝視聴率が取れない→番組制作費の削減→番組の質の低下→視聴率が取れない〟といった負のスパイラルに陥っているという見方もありますし。もちろんバランスの問題はありますが、年配の視聴者からも『最近は見る番組がない』なんて声を聞く機会が増えていますからね」
令和の世にテレビ業界の明るい未来は見えるのだろうか。
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