柴田惣一 今日も一緒にプロレスを楽しみましょう! 新日本プロレス「G1クライマックス」 にじむ疲れ、喜び爆発…〝真夏の祭典〟で出場者の思わぬ一面も
zakzak by夕刊フジ / 2024年6月24日 11時0分
今や日本だけでなく世界中のプロレスファンが注目する真夏の祭典・新日本プロレス「G1 CLIMAX34」(7月20日=大阪府立体育会館-8月18日=両国国技館)が今年も近づいてきた。今回は20選手が2ブロックで争い、各ブロック上位3人が優勝決定トーナメントに進出する。また、エントリー最後の2枠を巡って各ブロック6人による出場者決定トーナメントが6月22日、福島大会から始まる。
1991年に始まり、今年で34回目。当初は短期集中決戦だったが、出場枠も広がり長期シリーズとなった。真夏のシングル最強決定戦の連戦はコンディション調整が普段以上に重要となってくる。現在、ガンで闘病中の区議レスラー西村修は酒豪として知られるが「G1の期間中は酒断ちしていた」と告白している。出場を打診された後藤達俊は晴れ舞台にもかかわらず「無理」と即答。最終的には参戦したが、大会後しばらく体調を崩していた。それほど、過酷なサバイバルレース。以前は私も優勝者にリング上で特大トロフィーを渡していた。
IWGPタイトルマッチ後のセレモニーとは、また一味違った勝者の雄姿が垣間見られたが、G1では晴れやかな表情にも隠せない疲れをにじませていた。「おめでとう」と声をかけると「重いですけど、大丈夫ですか」と心配してくれたり「やりましたよ」とストレートに喜びを爆発させたり「どうでしたか」と感想を聞いてきたり…。選手の思わぬ一面が見られたものだ。
毎年、名シーンが展開されている。第1回は蝶野正洋が下馬評を覆して優勝し、国技館に座布団の嵐が吹き荒れた。あの感動の光景が目に焼き付いている。「夏男」蝶野の連覇に武闘派宣言。闘魂三銃士と藤波辰爾、長州力との世代闘争も見どころたっぷりだった。中西学が武藤敬司をアルゼンチン・バックブリーカーで担ぎ上げユサユサと揺さぶったのも名場面のひとつ。
4年の間に3度制した全盛期の天山広吉の猛牛パワーも魅力満点だった。2004年のキャデラックに乗っての優勝パレードも忘れられない。棚橋弘至の初優勝は07年だった。8年ぶり2度目の優勝を飾った15年には、喜びのあまり振り回した優勝旗を折る事件を起こしている。オカダ・カズチカは4回制覇。蝶野の最多優勝記録5回に迫っている。
昨年は内藤哲也vsオカダが決勝戦だった。今年は誰が晴れの大一番に勝ち上がるのか。ここ最近、何かと物議をかもしている新日本にとっても、正念場の看板シリーズ。貴方はどんな光景が目に浮かぶのか? それぞれの心に忘れられない名勝負があるだろう。過去の名シーンを肴に今年のアレコレを予想するのも楽しい。 (プロレス解説者 柴田惣一)
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