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ぴいぷる シンガーソングライター・南こうせつ おいちゃんの歌は〝生きる〟ということ 哀愁感じた父にエールを送る名曲「うちのお父さん」

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月9日 6時30分

そう、おいちゃんの音楽性の幅広さはこういうところから生まれているのだ。

代表曲も数々ある。そんな中で、おいちゃんの優しい人柄がにじみ出ているのは、かぐや姫時代の「うちのお父さん」だろう。世に母を慕う曲は多いが、なぜ父をモチーフにしたのか。

「うちの父は大分の田舎町のお寺の住職でしたが、家では母が強くてね(笑)、母には逆らえない父でした。それでも子供4人を食べさせないといけないから、お経を読んで、お布施をいただいて。それと同時に田舎なので畑を作って、トウモロコシやきゅうり、ナス、カボチャを植えている。たまに子供たちを喜ばせようとスイカを植えたりしてね。で家に帰ると五右衛門風呂に入って、ふーとため息をついて歌うのは〝おれは河原の枯れすすき〟…『船頭小唄』ですよ。子供心に、また母ともめたのかな、なんて思ったりして。哀愁を感じてました、いつも。そんなお父さんにエールを送りたかったんですよ」

米ロスでのコンサートの終演後、観客の女性にどの曲がよかったかと聞いたところ、「『神田川』では泣かなかったけど、『うちのお父さん』で泣いたと言われたんです」と振り返る。近ごろの父親はまきは割らないけれど、家族を支える姿は変わらない。そんな何気ないところに幸せを感じさせてくれる。

「人間って必ず死ぬんです。死ぬ時は死ぬ、というのが、私の最近の座右の銘なんです。だから毎日、今という時を過ごせることに感謝して、そこに幸せを見つけるんです。でも、そう感じるのはやっぱり仕事じゃ出ない。美しい景色や美しい映画、美しい女性にピピピッてくるものがあった時、ワクワクする。これはいくつになっても同じこと。お金があれば、僕だってうれしい。でも、それでは基本的な幸せには行きつかないんだな」

(ペン・福田哲士 / カメラ・鴨志田拓海)

■南こうせつ(みなみ・こうせつ) シンガー・ソングライター。1949年2月13日生まれ、75歳。大分県出身。70年にソロデビュー。その後、山田パンダ、伊勢正三とかぐや姫を結成し、「神田川」「赤ちょうちん」「妹」などのヒットを飛ばす。75年の解散後はソロとして「夏の少女」「夢一夜」などがヒット。76年には日本人のソロのシンガー・ソングライターとして初めて武道館でコンサートを開催する。86年からは「広島ピースコンサート」を10年間開催する。現在もコンサートを中心に活動を続けている。

「ラストサマーピクニックin武道館」は9月23日、日本武道館で開催。問い合わせはキョードー東京(0570・550・799、平日午前11時~午後6時、土日祝午前10時~午後6時)。

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