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舟木一夫 出会いと別れの80年Part2 光本幸子、舟木一夫の節目支えた「男はつらいよ」の初代マドンナ 初出演で日本映画史にその名を刻み 二十数年にわたって共演

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月27日 11時0分

明治座公演の前に顔合わせをした(左から)伊志井寛、光本幸子、舟木一夫(夕刊フジ)

光本幸子といえば、26歳の1969年8月に公開された渥美清主演の松竹映画「男はつらいよ」(山田洋次監督)の第1作に初代マドンナ坪内冬子役で出演し、映画デビュー。映画初出演で日本映画史にその名を刻むことになった。

舟木一夫は2年前の67年、東京では初めての座長公演を明治座で行うことが決まり、相手役を考えていたとき、たまたま見ていたNHKの「大岡政談・池田大助捕物帳」に美濃役で出演中の光本が目にとまり「この人だ」と直感。交渉の結果、GOサインを得た。

光本は子供の頃から舞踏家・六代目藤間勘十郎に師事し、12歳の時に明治座の舞台「望郷の歌」でデビュー。勘十郎と親交があった初代水谷八重子の目にとまって新派入りした。

舟木は66年10月に大阪・新歌舞伎座で行った初座長公演で〝寄り合い所帯〟の難しさを教えられ、光本が所属する劇団新派に「明治座では新派で座組みをしてその中にほうり込んでほしい」と申し入れた。紹介されたのが長老格の伊志井寛だった。以来、〝おやじさん〟と慕った。

舟木は1歳上の光本を〝サッちゃん〟と呼び、光本を相手役に7年連続で明治座公演を行った。この間、舟木は作家の川口松太郎や初代水谷八重子から新派入りを強く勧められることもあった。

舟木は光本と69年7月にリリースされた「恋のお江戸の歌げんか」でデュエットしているほか、同年12月17日に公開された松竹映画「いつか来るさよなら」でも共演している。

舟木が〝寒い時代〟と呼ぶ十数年にわたる低迷期から抜け出し、これからという92年5月と6月に全国30会場で、復活に向けた舞台「銭形平次」を演じたが、その相手役も光本だった。

舟木が二十数年の長きにわたって共演した光本は2013年2月22日、食道がんのため、69歳で死去している。

=敬称略

(大倉明)

■舟木一夫(ふなき・かずお) 歌手。1944年12月12日生まれ、79歳。愛知県出身。63年6月、「高校三年生」でデビュー。橋幸夫、西郷輝彦とともに〝御三家〟と呼ばれ、人気を集めた。歌手だけでなく、ドラマや映画などで活躍してきた。2年後には芸能生活65周年を迎える。

12月10日(火)~12日(木)、大阪・新歌舞伎座で「カウントダウン80’」を開催。これに合わせて新歌舞伎座近くの大阪国際交流センター 1Fギャラリー「舟木一夫展 2024 79~80」も開催される。

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