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新・親も知らない今どき入試 「実就職率」大学ランキング第1弾 卒業生100人以上1000人未満規模 トヨタ系「豊田工業大」が100%でトップに

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月16日 15時30分

今週から、2024年卒の学生を対象とした大学別実就職率ランクについて、大学の規模別に紹介していこう。第1回は、「卒業生100人以上1000人未満の大学別実就職率ランク」を見ていく。

実就職率は、医学部と歯学部の単科大学を除く、すべての大学を対象に行ったアンケートの集計値で、24年は555大学(73・3%)から回答があった。実就職率の算出方法は、「就職者数÷(卒業生数―大学院進学者数)×100」としている。

大学生の売り手市場が続いているが、各大学の実就職率はコロナ禍で一時的に落ち込んだ。平均実就職率は21年度(85・5%)に底を打って以降回復基調が続き、24年の平均実就職率は88・8%でコロナ禍前の水準に戻った。

ちなみに、文科省が公表している24年卒の大学生の平均就職率は98・1%なので、実就職率とは10ポイント近い差がある。文科省の集計値が高くなるのは、集計大学数が、国公私立合わせて62大学と少なく、算出の分母も、就職希望者を対象としているためだ。就職アナリストは、「対象大学数が多く、卒業生を分母としている分、実就職率の方が実態に近い就職状況を表していると思われる」と話す。

では、実就職率ランクについて見ていこう。

1位はトヨタ自動車が社会貢献活動の一環として設置した豊田工業大。卒業生が137人と少ないこともあるが、実就職率は100%。私立の理工系は学費が高く、24年度の入学金と授業料を合わせた初年度納付金の平均額は約168万円。それに対して、豊田工業大は、トヨタ自動車から財政支援を受けていることから、90万円弱。国立大とほぼ同水準であることから、優秀な学生が集まることが、高い実就職率の要因だ。

2位は社会福祉、看護、医療技術の3学部で構成される群馬医療福祉大。就職に直結する資格が取得できる大学の実就職率は高く、3位から5位は医療系の単科大。3位の大阪総合保育大は児童保育、4位の千葉県立保健医療大は看護や栄養などの学科で構成される健康学部、5位の岐阜薬科大は薬学部を有している。6位の大阪青山大は、健康科、子ども教育、看護といった、就職に強い3学部からなる。

上位に卒業生が100人から200人規模の大学が並ぶ中、福岡工業大は859人の卒業生がありながら、実就職率98・0%で7位にランクイン。同大は、福岡県外の企業の就職者が多いことが特徴。就職アナリストは言う。

「地元を離れて就職する学生に対して交通費を支給するなど、手厚い就職支援をすることから、広範囲の企業に学生が就職。結果として、大学全体の実就職率を押し上げている」

ランキング中の規模が大きな大学ということでは、10位の聖徳大も卒業生が786人と多い。教育、心理・福祉、文など6学部からなり、幼保を中心とした教員養成に高い実績のある大学だ。

■井沢秀(いざわ・しげる) 大学通信情報調査・編集部部長。1964年2月6日、神奈川県生まれ。明治大学卒業後、受験情報・分析を主力事業とする大学通信入社。大学の入り口(入試)から出口(就職)まで、情報を収集し発信中。中高・大学受験の案内書・情報誌を編集するほか、新聞社系週刊誌、経済誌などへの情報提供と記事執筆を行う。

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