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徹底解説・第5弾 男性更年期 職場・生活術から考える改善 熱帯夜の睡眠不足と夜間多尿の防止策、飲食習慣の改善が役立つ uMIST東京代官山・斎藤恵介院長に聞く

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月9日 15時30分

uMIST東京代官山の斎藤恵介院長(夕刊フジ)

熱帯夜は寝苦しく、尿意で何度も目が覚めると睡眠不足に拍車がかかる。男性ホルモンのテストステロンの低下と夜間多尿は関係が深い。テストステロンが減少すると、腎臓が夜間に尿を作るのを制御する抗利尿ホルモン・バソプレシンも低下するからだ。

「抗利尿ホルモンをきちんと働かせるには、男性ホルモン補充療法(TRT)などの治療も大切ですが、治療効果を高めるには水分補給のタイミング習慣の見直しも欠かせません。生活習慣を変えるだけで、症状が改善する人は少なくないのです」

こう話すのは、「泌尿器・日帰り手術クリニック uMIST東京代官山―aging care plus―」(東京都渋谷区)の斎藤恵介院長。順天堂大学医学部附属病院にも所属し、日本メンズヘルス医学会のテストステロン治療認定医である。

たとえば、次のようなケースが典型例だ。50歳のDさんは夜間2時間おきに尿意で目が覚めてトイレに行く。夜11時に寝て、深夜1時、3時、5時にトイレに立ち、午前6時に起床。「1時にトイレに行ったのに、もう2時に尿意が。年のせいか…」とあきらめかけていたというDさん。

朝起きても疲れがとれないので調子が悪い。日中に耐え難い眠気に襲われることが増えた。

斎藤院長はこうしたケースを数多く診てきた。

「夜間多尿で受診された人には、①夕食②晩酌③入浴④就寝⑤起床の5つの時間を聞くことで、夜間多尿と生活習慣との関係を把握することが可能です。そのタイミングを正すことで、夜間多尿を減らせます」

Dさんは午後8時頃に帰宅して入浴。その後、夕食をとりながら、晩酌も欠かさない。午後10時過ぎまで飲み続け、11時に就寝。午前6時に目覚める。この生活習慣に夜間多尿を引き起こす落とし穴があるという。

「寝る前に飲んだ水分の尿は、2時間後に作られ始めます。アルコールは4時間後。つまり、寝る1時間前まで飲食をすると夜間多尿につながり、トイレの回数が増えるのです」

そこでDさんは帰宅後の晩酌を控え、帰宅後すぐに夕食をとって午後9時までに終えるように時間帯を変えた。就寝までの2時間は、口をすすぐ程度で水分はとらず、トイレに行ってから就寝。すると、午前4時まで尿意で起きることがなくなったという。

「この習慣改善だけでも、夜間に5回起きていた人が3回になり、3回の人が1~2回になるなど、夜間のトイレが減ることを実感できます。夏場の熱中症対策の水分補給も、寝る2時間前までに十分行うことと、寝室の温度を適切に下げるようにしてください」

夜間多尿が抑制されて熟睡できるようになると、夜間に分泌されるテストステロンが増え、抗利尿ホルモンのバソプレシンも正常に働きやすくなるそうだ。

「飲食習慣の改善は夜間多尿の予防にも役立つので、実践していただきたいですね」と斎藤院長は話している。 (取材・安達純子) 【あすは「寝る前のシャワーが役立つ」です】

■斎藤恵介(さいとう・けいすけ) 「泌尿器・日帰り手術クリニック uMIST東京代官山―aging care plus―」(東京都渋谷区)院長、順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科講師。静岡県立がんセンター、帝京大学附属病院泌尿器科講師、ハーバード大学留学、順天堂大学医学部附属順天堂医院泌尿器科准教授などを経て2023年7月から現職。著書に『頻尿・尿もれがみるみる改善する食べ方大全』(文響社)。

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