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久住昌之 するりベント酒 あさり飯に恐るべき伏兵が潜んでいた! ベンチ盛り上げるムードメーカーのよう 食べ終わった今は主役にさえ見える…大学芋

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月30日 10時0分

(夕刊フジ)

「あさりご飯弁当」というのを買ってみた。

490円。税込529・2円。0・2円て、表示しなくていい。いや、カードで払うとちゃんと引かれるのかもしれない。

あさりご飯、というと深川のぶっかけ飯を思い出す。あさりの味噌汁をご飯にかけるワイルドなドンブリ飯。

あれは深川の店で食べるとおいしい。家でやったら、なんかビンボー臭くてあんまりおいしくなかった。大人になったということかもしれない。残念だ。

この弁当は全然ビンボーな印象はない。鳥の唐揚げが、メインのおかず顔をしてドーンと威張っているからだろう。

買ったのが開店直後で弁当がまだ温かい。この針生姜の量がいいね。夏は何かと生姜がうまい。冷奴とか、そうめんとか。

生姜の上には青ネギがのせてあり、それも色味的に涼しげだ。早くも猛暑だからね。

さて。おかずを確認するまもなく、いきなりあさりご飯に箸を突っ込んでがさっと取って、口に放り込む。

うん。うまい。見た目通りに針生姜がいい仕事をしている。食べているそばから食欲が湧いてくるようだ。味も濃くない。

鳥の唐揚げを半分いく。うん。あさり飯のおかずとして、悪くない。合っているかもしれない。脂っこくないし。

ひじき。まあ、普通。

卵焼きも、普通。

ちくわ磯辺揚げ。うまい。弁当界でも意外に活躍するこの男。ホームランこそ打たないが、確実に塁に出る選手。のり弁では4番を打っている実力者。基本脇役だが、十分メインも張れる。歯応えと香りぐらいなんだが、この歯応えに青のりの風味が加わると、口の中で俄然力を発揮する。

そして、この弁当でちょっと驚いたのは、鈍い黄金色を放つ大学芋。

大学芋、久しぶりに食べたわ。甘塩っぱくて、ホクホクで、おいしいぞ!意表をつかれた。

「チームあさりご飯」に大学芋を参加させましょう、という意見を出した人、尊敬する。思いつかんわ。この味が入るだけで、この弁当全体が輝いた。今、思い出して文章を書いていても、この大学芋が食べたくなってちょっと腹減ってきた。この写真の色、テカリが、ずるい。食べ終わった今となっては、この弁当の主役にさえ見える。

そして、口の中をリセットさせるというか、これをひと口食べた後、針生姜を乗せたあさりご飯が、あらためておいしい。ああ、この弁当にしてよかったな、という「お得感」のようなものを、大学芋のひとかけが確実に演出している。

可もなく不可もなく普通、という評価だったひじき卵焼きも、大根の桜漬けも、弁当箱の中で楽しそうに見える。ベンチを明るくするムードメーカーのようだ。これで肩の力の抜けた鶏唐揚げが、次の打席あたりで一発打ちそうに見えてきた。

というわけで、まさかの大学芋の活躍で満足の一食となった。「いやぁ、野球はわからないもんです」とアナウンサーがいうが、弁当も同じなり。

漫画「するりのベント酒」(原作:久住昌之作画:こしのりょう)週刊漫画ゴラクにてシリーズ連載中!!

(マンガ家、ミュージシャン)

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