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パリ五輪柔道女子48キロ級・角田夏実は「マイナス思考相当強い」 平野コーチが語る強さの秘密 「一回り下の後輩相手でも偉そうにしない」

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月27日 14時0分

角田を担当する平野コーチ(撮影・山戸英州)(夕刊フジ)

【パリ(フランス)26日=山戸英州】五輪初出場で日本勢通算500個目となるメダル獲得を目指すのは世界選手権3連覇中の柔道女子48キロ級日本代表、角田夏実(31)=SBC湘南美容クリニック。27日に大一番を迎える遅咲きの柔道家はいかにして大舞台にたどり着いたのか。指導する日本代表・平野幸秀コーチ(44)が「防衛的悲観主義」をキーワードに強さの秘密を語る。

花の都の畳に立つ角田は「マイナス思考が相当強い」という。強敵を倒すには少々不安にも思えるが、平野氏は「常に最悪の想定をして動いている証拠」と指摘する。

大会では1回戦から格下相手でもデータ、映像が入手できないことも多い。「リスクを削ることを最優先させている。リオ、東京で2大会連続金メダルを獲得した大野将平(32)にも似た考えだ」と明かす。

技術、気力が世界トップレベルというだけでは五輪を制すのは難しい。頭の整理がうまくなってから結果を出せるようになった。

以前、柔道強豪の仙台大関係者から角田に「なぜあなたはそんなに強いのか? 学生たちに話してほしい」と依頼されたことがあった。自分の考えをコンパクトにまとめて話す角田の姿を見て、平野コーチは「彼女は自分の考えをまとめる作業が柔道向上にも役立つことに気づいた」。以降、定期的に学生の前で話す機会を設けるようになった。

最強女子の称号に手が届こうとしている角田だが、その素顔は優しい性格で知られる。母校の東京学芸大で練習していると、「夏実先輩!」と入部間もない後輩たちが次々にやってきて、競技のことからプライベートの話題まで相談されることが多い。「一回り下の後輩相手でも偉そうにしない。コミュニケーションを取れているからこその光景」と平野コーチ。

また、涙もろく大学時代も練習中に泣いてしまい畳の隅でうずくまることも多かったが、今や涙は〝戦いの合図〟になった。

角田は「世界選手権前も、緊張して気持ちが高ぶると涙が出てきた。でも出た方がスッキリする。出ないで試合に行くと集中できない。中学生のころもひとしきり泣いた後の方が『強くなるね』と母親に言われた」という。今では「泣いたらスッとするので、その儀式をやってから試合に入ります。泣けば振り切って試合をやれる」と胸を張る。

一方で、アニメや漫画には目がないおちゃめな一面も。スパイ、殺し屋、超能力者の3人が仮の家族として過ごす姿を描く「SPY×FAMILY」が好き手でメインキャラクターのアーニャ・フォージャーの大ファン。平野コーチからも以前、アーニャのフィギュアを贈られて「テンションがめちゃくちゃ上がる!」と大喜びだった。

五輪について「最悪を想定して準備しているが自信がない。これまで出場した大会ならイメージ、想定もできるが何せ未知の世界。だから怖さもある」と率直な感想を語った角田。持ち前のキャラクターと丹念な準備で、大きな夢を実現する。

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