1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

経営者目線 山崎蒸溜所で酔いしれた究極経営論 ワタミ陸前高田ツアーを無料開催

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月19日 15時30分

ワタミ各店でも山崎ウイスキーを提供している(夕刊フジ)

昨年創業100周年を迎えたサントリー山崎蒸溜所(大阪府島本町)を久しぶりに見学した。今でこそ「山崎ウイスキー」は、世界ブランドとして高い評価を受けているが、サントリーの歴史をみると、ウイスキー不遇の時代もあった。

当初は、スコットランド風をベースに作ったが、スモーキーさが日本人の口に合わなかったという。徐々に日本人好みに近づけ大ヒットしたのが「サントリーオールド」だった。しかし、焼酎ブームなどもあり出荷量が右肩下がりが続いた。

しかし、「ハイボール」のマーケティング戦略がヒットし、再び大きな脚光を浴びるに至った。製造も営業も会社一丸となって、国産ウイスキーに情熱を注ぎ続けた結果が、今日の「山崎ブランド」を築いている。それでも15年、20年先のためにウイスキーを作り続けられたのは、創業家経営だからこそできた業だ。単年の業績を追い求めるサラリーマン社長では、絶対にできない投資判断だ。

第20代工場長の藤井敬久さんにいろいろと案内してもらったが、その昔、初代ワタミウイスキーを提案してくれた方だ。ウイスキーは蒸溜後にたるの色がつくが、その初代ワタミウイスキーは、たるに入れずに貯蔵し、焼酎のような無色透明のものだった。味は抜群だったが、見た目はまったくウイスキーにみえない。その斬新な挑戦を、よく許可したなと思った。

サントリーは創業者、鳥井信治郎さんの「やってみなはれ」の精神が現役社員まで浸透している。この日も「この樽は…」「この熟成方法は…」といくつも挑戦や失敗の歴史を聞いた。「響30年」を試飲させてもらったが、芳醇(ほうじゅん)さと繊細さは芸術品の域だ。ブレンドされるウイスキーで最も若いものが30年ものであり、実際は30年以上寝かせる。30年先を見据えた経営だ。ウイスキーは「未来への贈り物」というフレーズを聞き、そのビジネスモデルに酔いしれた。

ワタミも創業40周年を迎え、100年企業を強く意識している。「和民」はチェーン居酒屋ではじめて、手作り、有機野菜にこだわった。そうした原点にふれる機会を増やしていきたい。40周年を記念して、現在「ミライザカ」「三代目鳥メロ」などでキャンペーンを実施している。税込み2000円以上のレシートで応募すると、山崎ウイスキーをはじめとして豪華賞品が当たる。

なかでも目玉は岩手県陸前高田市のワタミオーガニックランドへのツアーだ。単なるプレゼントではなく「ワタミがつむぐ物語」が伝わるものにしたかった。被災地で循環型6次産業に挑むことは、ワタミの「未来への贈り物」の象徴だ。企業経営はこうして「飽くなき挑戦」の連続だ。

一方で、民間企業の常識とは異なり、交通費の公開すらしぶる政治家を見ると残念に思えてならない。自分たちの既得権を必死に守り、大衆迎合のバラマキ政策を続ける先に未来はない。政治こそ本来、20年、30年先の未来を考えるものだ。 (ワタミ代表取締役会長兼社長CEO・渡邉美樹)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください