1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 社会
  4. 政治

日本の解き方 〝安倍憎し〟露呈した石破政権 非公認は野党を利するだけ…自公でも過半数割れする恐れ 岸田前首相は再登板の野望も

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月11日 11時0分

とうとう石破茂政権が本性をあらわにした。政策面では、自民党総裁選中に言ってきたことをほとんど否定し、石破政権誕生後の4日に所信表明を行った。所信表明に載らない以上、その政策が実現される可能性はまずない。

このままだと、石破政権に期待していた人は失望し、政権の寿命も短いと思われていたが、政策ではなく政治、いわゆる裏金問題で勝負に出てきた。

裏金問題を自民党内で仕切ってきたのは森山裕幹事長だ。森山幹事長はさらなる処分はないかのように話してきた。当然のことながら、後出しの事後処分はご法度である。ただし、3人の党員資格停止の議員については公認なしというのはある意味当然なので、その程度で済ますかと思われていた。

しかし、政治倫理審査会を欠席した3人の議員も非公認の方針という。確か欠席は自民党の方針だったはずで、これは実質的に事後追加処分だろう。さらに、40人以上とされる収支報告書不記載議員(これはほぼ旧安倍派)に比例重複を認めないという。党の処分に従った上で、あまりにひどい仕打ちであり、このままなら非公認・比例重複不可の半数程度が落選するかもしれない。

かつての郵政民営化解散での「刺客」を連想するとの声もある。しかし、当時は郵政民営化に反対した候補に公認を出さなかったが、「刺客」に自民党公認候補を出したので、どちらが勝っても、広い意味での自民党勝利だった。マスコミの自民党への注目度が高くなって野党候補は埋没し、結果として大勝だった。

今回は、野党を利するだけである。石破政権では、石破首相の発言ブレもあり、政権発足直後の〝ご祝儀〟もなく、自民党の過半数割れが噂されていたが、今回の措置により、そこにとどまらず、自民党と公明党の与党で過半数割れまで視野に入ってきている。

一体誰が今回の措置を主導したのだろうか。世論に迎合したともいわれているが、反自民党の勢力の言いなりとしか思えない。選挙は最大得票を目指すものだが、自民党としては合理的な決定だとはいえない。対象者が旧安倍派に不自然に集中しており、非合理的な安倍憎しの感情としか考えられないが、単に一部の執行部の舞い上がったミスかもしれない。

保守の自民党支持層は、今回の措置で戻ってこないだろう。結果として、自公で十分な得票が得られず、石破首相に結果責任がブーメランのように刺さってもおかしくない。それで、石破政権が短命になったとしても、次には高市早苗前経済安保相がいるので大丈夫というのは甘い。

石破政権の後を狙うのは岸田文雄前首相もいる。今回、石破政権誕生の最大の立役者は菅義偉元首相でなく「高市だけはダメだ」と言ったとされる岸田氏だ。その意味で、筆者は石破政権を「岸破政権」と呼んでいる。岸田氏の石破首相への支持は、短命を見込み、次は自分の再登板も織り込んでいたとしか思えない。いずれにしても安定政権にはなり得ない。 (元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください