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肉道場入門! 名店仲居が伝承するメレンゲ卵で近江牛すき焼き 肉は最新技術で滋賀から直送 東京・虎ノ門「あさい」

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月9日 15時30分

★絶品必食編

すき焼きを目の前にすれば老若男女、誰もが破顔する。家庭で家族と囲むすき焼きは身近なごちそうだし、高級店で仲居さんに肉や鍋の面倒を見てもらえばもてなされる気分にもなる。

再開発が進む東京・虎ノ門の路面に今年開店したすき焼き専門店「あさい」。いまはなき名店の様式を継承しながら、より深い味わいの地平を拓いている。

新しい地平はやはり肉。仕入れている肉は、滋賀県の名精肉店サカエヤの近江牛。そのロース肉を手切りの4ミリ、スライサーを使った3ミリという、2種の肉が同じコースで提供される。

最初に鉄鍋でジューッと音を立てるのは、職人手切りの4ミリ。包丁で切り落とされた滑らかな舌触りが割り下の灼けた香りをまとって折り重なり、分厚い噛み心地が口のなかに未経験の多幸感を充満させる。

一方、3ミリの肉は1ミリの違いのはずなのに、やわらかさと噛みごたえという相反する味わいが凝縮されていて、「これぞすき焼き」という懐かしさを伴う喜びが湧いてくる。

どちらの肉も二酸化炭素や窒素が充填された、高機能フィルムのパッケージで滋賀から虎ノ門へと直送される。最新の技術が肉を最上に保ってくれるのだ。

そして継承する伝統は、赤坂にあった名店「よしはし」のもの。惜しまれつつのれんを畳んだ同店で、当時給仕をしていた数人の仲居が「あさい」の立ち上げに関わっている。他にはない仲居の技術を大切に守り、いまにたすきをつなげている。

例えば「よしはし」伝統のメレンゲ卵もそのひとつ。全卵を割り入れたとんすいのなかで、菜箸で白身だけを泡立てる。まるで雲のようにふわふわに仕上がったメレンゲ状の白身の上に、焼き上げた肉がふわりと鎮座する。まずは白身だけの上品な香りを楽しみ、黄身へと沈めて濃厚な味わいをプラスする。

ざくにクレソンを加えるスタイルも同店から継いだ。シメも肉やザクのうまみを吸い、鍋肌で灼けた割り下を創業100年以上の味わいのしらたきに炒りつけた他にはない味わいだ。

前菜も含めたコースは星つきで培った和食の味わい。伝統を継ぎ、正しい進化を込めたすき焼きは、いま虎ノ門にある。

■松浦達也(まつうら・たつや) 編集者/ライター。レシピから外食まで肉事情に詳しい。新著「教養としての『焼肉』大全」(扶桑社刊)発売中。「東京最高のレストラン」(ぴあ刊)審査員。

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