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女優・小川眞由美 今、明かす私が歩んできた道 「いたずら好き」萬屋錦之介、「やんちゃ」勝新太郎、普段は優しい三船敏郎も…いい男はもういない 小川眞由美が共演したスターたち

zakzak by夕刊フジ / 2024年12月20日 11時0分

小川眞由美は長いキャリアの中で日本を代表するスターたちと共演してきた。

「錦兄(萬屋錦之介)はいたずら好きですよ。歌舞伎座に出たとき、もうすぐ出番と思って支度をしていたらパチンと音がした。錦兄が外から楽屋の鍵を閉めたんです。私は小さな隙間を見つけて外に出ると、なんとか舞台に追いかけていきました。すると、錦兄は笑って、『眞由美はかわいいよ』って。そんないたずらばかり(笑)」

萬屋には京都でもいたずらを仕掛けられた。

「先斗町に繰り出した時、弟の中村嘉葎雄さんがカクテルを作ってくれたんですが、何かきついお酒で。芸妓はんたちは心配して『小川はん、大丈夫どすか?』と。気がつけば、寝床の周りに新聞紙が敷き詰めてあってそこで寝かされてました。錦兄たちはその後も知らんぷり(笑)。やんちゃで男っぽい人って今はいませんね」

「やんちゃ」といえば「兵隊やくざ」シリーズで共演した勝新太郎の名も。「かっちゃんは、みんなで車に乗って東京に向かった時、『今、俺の車を追い抜いた奴がいる。新幹線だ』とか言って笑わせたりして。ただ芝居は真剣でした。私が彼をひっぱたく演技に監督はオーケーを出したのに、『もっと思いっきりたたいてくれ』と。鼻血が出るほどたたいたら、彼は満足しました」

三船敏郎ともドラマ「荒野の素浪人」などで共演が多かった。

「三船プロのゲストルームに住んでいたこともありました。三船さんは『外国で買ってきた飲み物だよ』ともてなしてくれるなど普段は優しい人で…。みんないい男でした。今、いい男っていますか?」

名監督・脚本家の知られざる一面も懐かしい。

「『白い巨塔』はさっちゃん先生(山本薩夫監督)が素晴らしい。社会派の巨匠です。ただ彼はラブシーンが不得意で、『よーい、スタート』と言った後、私と田宮二郎をそこに置いたまま恥ずかしがって隣の部屋に行っちゃうんです(笑)」

帝劇で「モルガンおゆき」を演じた時は、初日前日まで早坂暁の脚本が届かなかった。

「ラストで、私が『懐かしいあの人の顔が目に浮かぶ』というと、1人ずつ出てきてロンドを踊る演出だったのに、誰も台本がわからないから1人でも出てこないんです。結局、1人で踊りました(笑)」

今もセリフがわからないまま舞台に上がる悪夢を見るという。 (演出家・脚本家=大野裕之)

■小川眞由美(おがわ・まゆみ) 1939年12月11日生まれ、85歳。東京都出身。61年、文学座付属研究所に第1期生として入所。62年、「光明皇后」で初舞台。63年には「母」で映画初出演。70年台以降は映画・ドラマで活躍し、代表作は「女ねずみ小僧」や「アイフル大作戦」、映画「復讐するは我にあり」「八つ墓村」「鬼畜」など。

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