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岩本勉 どの口が言うとんねん 高校野球の「7回制」変更に断固反対! 野球全体のレベル低下を招く、ルール変更より試合の「2部制」など運用でカバーを

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月15日 6時30分

7回の走塁中に足がつり二塁上で倒れ込む霞ケ浦の選手。暑熱対策は必須だが…=13日、甲子園球場(夕刊フジ)

まいど! 日本勢が連日のメダルラッシュで国民を寝不足にさせたパリ五輪が閉幕し、世間の注目は夏の風物詩、甲子園に向いています。

高校野球といえば先日、日本高校野球連盟(高野連)が猛暑などから選手の安全を守る対策として、これまでの9イニング制から7イニング制への変更を検討していることが明らかになりました。今後の野球界にどんな影響が出るのでしょうか。

不肖岩本、プロ・アマ野球のルール制定や改廃を議論する日本規則委員会の一員を務めさせていただいております。高校野球のルール改定が規則委の議論に上がることはないとは思いますが、私は野球の根本に近い部分の変更には慎重であるべきとの考えから、7イニング制には反対の立場です。

最大の懸念点は競技レベルの低下です。投手の立場で言えば8、9回は最も自分の底力が問われるマウンド。ここを投げ抜けるように日頃から練習を重ね、自らを鍛え上げるのです。7イニング制となれば、この最も厳しい2イニングを経験しないままプロや大学、社会人に進むことになり、投手のレベル、ひいては野球全体のレベル低下を招くと考えます。

もちろん、酷暑への対策が必要であることは大前提ですが、ルール変更よりも他の部分の運用でカバーできることも多いのではないでしょうか。たとえば、一部の県で認められているイニング途中での給水を、全面的に認めることは有効でしょう。道具を考えても、頭部の熱の上がり過ぎを防ぐ保冷剤入りの帽子などは開発できないものでしょうか。私の現役時代を振り返ると、日本ハム2軍の鎌ケ谷球場でベンチ裏に冷風機が導入されたときは、夏の登板時にかなりのリフレッシュになりました。ベンチの冷房機能の強化も欠かせないと考えます。

今夏の甲子園大会では1日3試合の日程の一部で、気温が高い昼間を避けて朝と夕方に試合を行う「2部制」が実施されました。非常にいいアイデアですが、1日4試合の日でも導入できないものかとも思います。現行の午前8時開始の第1試合を同7時開始に前倒しして、第2試合は同9時半開始。午後の第3、第4試合は午後3時、同5時半開始としてみては?

甲子園球場以外での分散開催も検討するべきでしょう。出場全校が初戦は甲子園で試合をできるようにして、2、3回戦は近隣の京セラドームやほっともっと神戸でも並行して開催すれば、日程に余裕ができて休養日をさらに多くつくることができるはずです。

球児の心情に配慮しつつ、健康も守る。大人が進めるべき議論です。 (元日本ハム投手・岩本勉)

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