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ニュース裏表 平井文夫 もはや主役は石破首相ではなく国民民主・玉木代表 悪くない外交、安保についての考え方…首相も交代したらどうか

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月7日 6時30分

先週、「石破さんは辞めた方がいい」というコラムを書いた後、今週は何を書くか迷っていた。「予算を花道に退陣」か、「意外に長続き」か、など考えたのだが、途中で気がついた。もう石破茂首相を主語にしても意味がない。主語つまり主役は国民民主党の玉木雄一郎代表なのだ。

2年前から、このコラムで「玉木推し」をしてきた私としては、今の「玉木人気」は「ほらみろ」とやや得意だが不満もある。

まず大人気の「103万円の壁」だが、私は「小さな政府」を支持する者なので、減税には賛成。だが、「入り」を減らすだけでは政府は小さくならない。「出」も減らさないと。だから、公約にもある「後期高齢者の医療費自己負担原則2割」などは減税と同時にやるべきだ。

また、これを書くと必ず「財務省の犬!」と叱られるのだが、それでも書く。総額約8兆円の減税の財源が「税収の上振れ」というのは心許ない。では、税収が下振れしたら増税するのか? 財源もきちんと議論してほしい。

連立に入らず野党の立場で政策ごとに是々非々で与党と協議するというのも気に入らない。玉木氏が「うん」と言わないと法律一本、予算一本通らないというのは国民にとっては不安だ。

たとえ、「なぜ敵と組むのか」と国民やメディアから揶揄(やゆ)されても、国民を安心させ、国家を安定させるために辛抱強く連立協議を行い、妥協するところはして連立に加わるのが政治家の責任ではないか。もちろん、それをしない自公政権はもっと悪い。

とはいえ、今や玉木氏は「時の人」だ。香川の実家にはメディアが突撃取材に押しかけ、住んでいる高齢の両親や妻だけでなく近所の人も不安を感じているという。こういう取材はダメだ。

また、玉木氏は、ラーム・エマニュエル駐日米国大使と7日に会談する。石破首相は早い時期に訪米して次期米国大統領との会談を目指しているが、米側は「レームダック(死に体)」の石破首相より玉木氏に会いたいのではないか。

今後与党は国民民主党と政策協議を行うが、「トリガー解除」や「103万円の壁」は飲まざるを得ない。でないと予算が通らないからだ。ただ、さすがに「8兆円の減税」は額が大きいので半分にしてくれ、いや最初は4分の1で、みたいな交渉が行われるのだろう。

最近の玉木氏の発言で、2つ驚いたことがあった。サイバー防御法案の年内提出を石破政権が見送るとの報道に、玉木氏が「協力するから成立させよう」と応じた。

また、石破首相の外交ブレーンである川上高司・内閣官房参与の米大統領選に関するインタビューについて、「陰謀論の類い」と切って捨てた。玉木氏は外交、安保についての考え方も悪くないのではないか。

だったらいっそのこと、玉木氏を首相にしたらどうか。小さな野党の代表が国民の運命を握っているよりは、首相になって責任を取る方が真っ当な政治だと思うのだ。 (フジテレビ客員解説委員 平井文夫)

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