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ぴいぷる 女優・黒木華 演技のこころも〝アイミタガイ〟何だか温かくなる不思議な空気、親の笑顔が原点 歌声披露も「次はもうやりませんよ(笑)」

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月1日 6時30分

黒木華=9日午後、東京都港区の六本木スタジオ(夕刊フジ)

この人が笑顔になるだけで、周囲は何だか温かくなる。そんな不思議な空気をまとった人だ。

「どんな悩みであれ、誰もが悩んで生きている中で、自分では気づいていないけど、誰かとつながっていて、それが回り回って自分の助けになったり、希望になったりするような作品です。皆さんをそっと包むような暖かい日だまりのような作品になればいいな」

そう話すのは、自身が主演する11月1日公開の「アイミタガイ」(草野翔吾監督)だ。

ウエディングプランナーとして働く梓(黒木)はある日突然、親友の叶海(藤間爽子)を事故で失う。そして、恋人の澄人(中村蒼)との結婚にも踏み切れないままだ。大事なときにいつも背中を押してくれていた叶海のスマホに読まれることのないメッセージを送り続ける梓。一方、娘の死を受け止められない叶海の両親も生前の娘がどのような人とつながりを持っていたのかたどることに…。

「アイミタガイ」とは「相身互い」と書き、同じ境遇にある者どうしが同情し、助け合うことを指す言葉だ。映画では、登場人物たちの何気ない行動がパズルのようにつながっていき、見ているうちに何だか心が温かくなる。彼女も「温かい映画に出られることができて、すごいうれしいなと思います」と話す。

自身が演じた梓については、「仕事に対してすごく前向きに頑張っているところは自分と重なるかな。やっぱり私たちの年ごろになると、仕事もそうだけれど、結婚とか将来のこととか、自分だけではどうしても成り立たないことも多く、それに関わる誰かのことを考えなければならないじゃないですか。今の女性なら、おそらく共感していただけるかと」。

演劇の世界もまさに「アイミタガイ」なのだ。

「お芝居って相手の方と影響し合うからこそできるものなんです。相手の演技によって、こちらの口調や言い回しも変わるでしょうし、こちらの演技で相手の受け取り方も変わってくる。むしろ影響を受けていないとダメなぐらいかと。それこそ〝アイミタガイ〟ですよね。そして、それをなるべく逃さない役者でありたいし、共演者が楽しんでくれるような役者でありたいとは常々思ってます」

幼いころから、地域の児童劇団に所属し、多くの舞台を経験する。舞台やテレビ、映画で活躍し、2014年には映画「小さいおうち」(山田洋次監督)でベルリン国際映画祭の最優秀女優賞(銀熊賞)に輝くなど、その活躍ぶりはいうまでもない。いったい演技のどこに魅せられているのだろうか。

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