TV視てますか? 1971年の紅白「ふてほど」教材として最適 ウーマンリブの世ですから、女性に憎まれると困る!?
zakzak by夕刊フジ / 2024年12月25日 6時30分
今年の「新語・流行語大賞」の年間大賞は「ふてほど」が選ばれた。TBSの金曜ドラマ「不適切にもほどがある!」(宮藤官九郎脚本)に主演の阿部サダヲが表彰式に登壇、「正直、『ふてほど』って自分たちで言ったことないんですけど。周りからも聞いたことない」と述べたのは愉快だった。
正直、この4文字にはなじみがなく、モヤモヤ。まさに「不適切」。
ともあれ、テレビドラマ関連の言葉の受賞は、2013年の朝ドラ「あまちゃん」のセリフ「じぇじぇじぇ」以来。筆者も3月6日付の本欄でこう書いている。<1本のドラマについて、これほど「面白い」という声があちこちで聞かれるのは、それこそ同じクドカンの「あまちゃん」以来ではなかろうか>
せっかくなら朝ドラ「虎に翼」のセリフ「はて?」とのダブル受賞にしたらよかったのにね、やくみつるさん。
そんなわけで14、15日、「懐かしの『NHK紅白歌合戦~第22回』」を大変おもしろく見た。1971年の大みそか、会場は渋谷のNHKホールではなく日比谷の東京宝塚劇場。まさに〝53年ぶり〟に視聴。ネタの宝庫に圧倒されたが、この年の紅白は「ふてほど」の教材としても最適だと思う。冒頭とラストだけ紹介するとこうだ。
まず<この番組では放送当時の演出・構成をそのままの内容でお送りします 映像・音声の一部に乱れやノイズがあります ご了承ください>とテロップ。続いて、白組司会の宮田輝アナが「紅白歌合戦、紅組司会はチータという美少年、水前寺清子さん」と第一声。いきなり「美少年」と。いまならNGかな?
最後、大トリの美空ひばり登場の前に、俳優の長谷川一夫が「むらさき小唄」を踊ると、「長谷川一夫さんは男性ですよ。白組のために応援にきてくださいました」と宮田アナ。長谷川は「きょうは女形の役者で出てまいりました。ウーマンリブの世の中ですから、女性に憎まれると困るんで、こちら(紅組)のほうへ応援させていただきます」と応じ、喝采。
さて、今年の紅白は―。 (新橋のネクタイ巻き)
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