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ぴいぷる 美術造形家・村瀬継蔵 特撮にこだわる理由「子供が夢を持てる楽しいものを作りたい」 VFX全盛の時代に今も生きる昔の技法

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月26日 11時0分

「スタントマンにやってもらおうと言っていたのですが、俳優たちが着ぐるみに火をつけて、ビルのセットから落ちるなんて危険だから、保険をかけないとやらないと言い出してね。でも、制作会社は金は出さないというんだよ。でも私もできるなら本物に近い形でやってみたいと思ったんでね。自分で火だるまになって、落ちてやりましょうって引き受けたの」

当時の映画の撮影現場の熱量が伝わってくるほどのすさまじいエピソードだ。もうひとつ、手作り感満載のエピソードがある。

実は北京原人の着ぐるみは、本物の人毛をかき集めて作ったものだった。集めた人毛はパートで集めた女性4人が編み上げて、それをウレタンの着ぐるみに張り付けていったという。

「パートのおばちゃんたちはまさか北京原人の着ぐるみを作っているとは思ってなかっただろうね」というが、手間暇かけて作った3体の着ぐるみも全部焼けてしまったという。

「結局、何にも残らなかったね」とあっけらかんに笑うが、心の中にはそこまでして映画を作り上げたという誇りがしっかりと残っている。

そして、築き上げてきたものは、未来に受け継がれていく。

■村瀬継蔵(むらせ・けいぞう) 美術造形家、映画監督。1935年10月5日生まれ、89歳。北海道出身。58年に東宝の映画作品に参加。その後、独立して、72年に造形美術会社「ツエニー」(現在は会長を務める)を設立。「超人バロム・1」「ウルトラマンA」、「人造人間キカイダー」などを手がける。「大怪獣バラン」(58年)、「モスラ」(61年)、「マタンゴ」(63年)、香港映画「北京原人の逆襲」(77年)、「帝都大戦」(88年)、「ゴジラVSキングギドラ」(91年)などに参加した。2024年、第47回日本アカデミー賞の協会特別賞を受賞した。

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