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わが社の「健康経営」 ニチレイ(3)がんの早期発見と治療との両立支援 匿名の「つぶやき部屋」開設 実際の悩みを新たな施策につなげる

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月28日 15時30分

匿名の「つぶやき部屋」を開設している(夕刊フジ)

国内でがんになるのは2人に1人と推計。早期発見・早期治療で克服できることが多いが、進行してしまうと治療は長期に及ぶ。厚労省は「第3期がん対策推進基本計画」や「働き方改革実行計画」に基づき、治療と仕事の両立をサポートする仕組みを後押し、がんになっても仕事を続けられる環境は整いつつある。そんなサポートを含め、きめ細やかな取り組みを行うのがニチレイの健康経営だ。

【従業員から求められることを施策に】

がんと診断されても仕事を続けることは可能だが、「周りの迷惑にならないか」「出世の妨げになる」など、がんを職場に知られたくない人はいる。有給休暇を活用して人知れず治療を受けるケースもある。また、職場で活用できる支援を知らないまま、1人で精神的・肉体的・金銭的に苦しむことも、一般的にはよくある話だ。

「ニチレイグループは、がんになっても安心して働ける体制を整えています。従業員に周知し、さらに従業員から求められることは施策に生かしたいと思っています」と、同社人財開発部ウェルビーイング経営推進室長の酒井麻路氏。

同社には「治療と仕事の両立支援制度」や「テレワーク制度」があり、がん治療のセミナーや講演会といった教育も、従業員向けの「ニチレイ健康塾」で実施している。また、早期発見・早期治療のため、健康保険組合の協力を得て、定期健康診断に乳がんや前立腺がんなど、がん検診の一部を盛り込んだ。

「早期発見・早期治療に至っても、社内の制度を活用していない従業員はまだいます。いかに使いやすい制度にするか。そのための取り組みを行っています」(酒井氏)

【みんなのつぶやき部屋を開設】

たとえば、 がんは種類が多く、進行度によって治療法が異なり、かかる費用負担も変わってくる。家族を抱え、仕事を抱え、どう治療と向き合うか。一律の制度だけで、仕事と治療の両立の後押しは難しい面がある。そこで同社では、匿名で参加しやすいように、社内ポータルにウェブアンケート「みんなのつぶやき部屋」を昨年度オープンした。

「社内の治療と仕事の両立に関する制度や相談先などの情報提供と、何に困っているか、悩んでいるかなどを匿名でつぶやいてもらっています。実際の悩みに、どのような解決策があるのか。保健師相談などで対応するとともに、社内への情報発信や新たな施策につなげています」と、同社人財開発部ウェルビーイング経営推進室アシスタントリーダーの園田愛望氏は話す。

年間100万人が発症するといわれるがんは、他人事ではない。自分や家族などが、がんと診断される前に、社内や地域でどのような制度があるのかなど、知識を高めておくことも大切だ。 (取材・安達純子) 【9月3日掲載は「オムロン」です】

■株式会社ニチレイ 加工食品事業、低温物流事業、水産事業、畜産事業、バイオサイエンス事業、不動産事業。グループ従業員数1万6385人(2024年3月31日現在)。1945年設立。経済産業省等の「健康経営優良法人(ホワイト500)」に8年連続で認定。

【健康経営とは】従業員の健康管理を経営的な視点で考え戦略的に実践すること。従業員の健康が生産性や企業価値の向上につながり、就活や転職先企業の指標にも。

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