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70年目の「七人の侍」リスペクト三昧 「仲間集め」もう少し丁寧に描けば前作同様に傑作だったか 本家「七人の侍」に強いシンパシー「続・荒野の七人」(1966年)

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月21日 15時0分

大当たりの前作を受けて

先に紹介した「荒野の七人」(1960年、ジョン・スタージェス監督)の続編が「続・荒野の七人」(66年、バート・ケネディ監督)だ。

第1作が大当たりして配給会社のユナイテッド・アーティスツはホクホクとあって〝二匹目のドジョウ〟を狙ったのだ。

それにしてもロシアのマトリョーシカ人形を思わせる。なぜなら、この後も69年に第3作「馬上の決闘」、72年に第4作「真昼の決闘」が作られるからだ。いかにこのシリーズに人気があったということだが、裏を返せば本家「七人の侍」に強いシンパシーがあったということだろう。

前作から10年後で、舞台がメキシコということも村の名前もそのまま。前作で生き残り、銃を捨てて村の娘ペトラと結婚したチコが物語のつなぎ役。

新たに村を襲う大地主のロルカは、メキシコ独立戦争で義勇兵を率いて戦った猛者。その戦で失ったふたりの息子を慰霊するため教会が欲しかったという設定。無法者になった理由や背景がきちんと説明されているところがいい。

無報酬で村人を助けるクリスは、前作同様「本家」の島田勘兵衛のキャラ。ユル・ブリンナーが演じている。ヴィンはスティーヴ・マックイーンからロバート・フラーに変更。テレビドラマ「ララミー牧場」で日本でも人気が沸騰した甘いマスクの二枚目だ。

チコ役もホルスト・ブッフホルツからジュリアン・ナテオスにバトンタッチ。農民になったが、いつも野盗から苦しめられているのが嫌だとまたガンマンに戻りたいというビビリ男。これも半人前の侍だった岡本勝四郎のキャラとかぶる。

結局、ユル・ブリンナー以外総入れ替えだったので、スティーブ・マックイーンがいなくて残念だという声も多かったが、公開してみれば、正義感たっぷりのジョーダン・クリストファーが人気を得ることに。

純粋にドンパチを楽しむ映画なのだろう。クライマックスのガンファイトよりも、仲間集めのエピソードや個性をもう少し丁寧に描けば、前作同様傑作といわれたかもしれない。とはいえ、ケネディ監督もきちんと本家へのリスペクトは忘れていないようで安心した。 (望月苑巳)

=次週に続く

■続・荒野の七人 日本公開は1967年4月8日。脚本はラリー・コーエン。出演はユル・ブリンナー、ロバート・フラー、ウォーレン・オーツら。

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