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テレビ用語の基礎知識 異常なほど〝喫煙天国〟だったテレビ局内 高額な映像編集機を「くわえタバコ」で使うことも 今では居場所なくなり…滅亡一歩手前

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月12日 6時30分

(夕刊フジ)

この間、とあるバラエティー番組で、女性アイドルがタバコを吸っているようなシーンのあるドッキリが話題になっていましたが、そういえば、テレビ局内はかつて異常なほど喫煙天国でした。

オフィスで吸えるのは当たり前で、廊下で灰皿を持って歩きながらタバコが吸えました。ある先輩記者は夢中で原稿を書いている時には、灰皿ではなく、ゴミ箱に直接タバコの灰を落としながら書き進めていて、「よく火事にならないな」と心配だったのを覚えています。

私も30代前半くらいまでは結構なヘビースモーカーでした。取材で外を飛び歩いていて、局内にいる時間はあまり長くなかったのですが、当然のようにタバコが吸えていたロケバスが禁煙になり、海外出張が増えて、国際線の機内でタバコを吸えない10時間以上が地獄のように苦しくて禁煙しました。

あれ以来、1本も吸っていないので、今では喫煙者かどうか、近くに行くだけで嗅ぎ分けられます。

いま考えると驚きなのは、VTRを編集しながら結構高額な映像編集機を「くわえタバコ」で使うことすら許されていたのです。機材をメンテナンスで分解すると、ヤニで真っ茶色に汚れていたとか、そんな話を随分と聞きました。

僕がいた局の報道編集はそのうち禁煙になったのですが、編集ゾーンの入り口に喫煙所がありました。

長時間の編集なんかの時には、みんなその喫煙所に来て、思いっきり一息吸い込んで灰皿に火がついたタバコを残したまま自分の編集ブースに戻ります。そしてそこで煙を吐き出しながら少し編集するとまた灰皿に残しておいた自分のタバコに走って戻り、そしてまた一息大きく吸い込んで走って編集ブースに戻る…。まるで海女さんが海面で息をして海底に戻ってアワビを獲るみたいな感じですね。この「海女ちゃん方式」だと、タバコの煙はすべて、禁煙のはずの編集ブースで吐き出されているので、あまり禁煙にした意味はなかったと思いますが、とにかくそんな感じでした。

そしてそのうち、廊下の一部分がいきなり工事されて喫煙所になり、そこしか喫煙できなくなって、みんな喫煙所に住んでいるような状況になりました。そして次第に、各階にあった喫煙所が2フロアに1カ所になり、局内全館ほぼ禁煙になり、局内はおろか外に行ってもほとんどタバコが吸える場所がなくなり…といった感じです。制作会社の会議室やポスプロなんかではまだ喫煙可の場所もあるようですが、テレビ業界の喫煙天国もほぼ滅亡一歩手前ですよね。お気の毒様です。

■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。1992年、テレビ朝日入社。「スーパーJチャンネル」「報道ステーション」などのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。新著『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)が発売中。

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