1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 芸能
  4. 芸能総合

1万本を見た映画記者 極私的スター名鑑 真田広之 渡米20年…努力が実った歴史的快挙 配信ドラマ「SHOGUN 将軍」でエミー賞史上最多18冠

zakzak by夕刊フジ / 2024年10月9日 11時0分

約10年前の写真だが、50代とは思えない精悍さだ(夕刊フジ)

「日本語で話をさせてください。時代劇を支えてきた方々から受け継いだ情熱と夢は、海を渡り国境を越えました」

真田広之は主演とプロデューサーを兼任した配信ドラマ「SHOGUN 将軍」で主演男優賞などエミー賞史上最多18冠を受賞し、授賞式で喜びのスピーチをした。英語ではなく日本語で語った心情に胸が熱くなった。

東京生まれの真田は5歳で劇団ひまわり、中学入学と同時に千葉真一主宰のジャパンアクションクラブに入門した。本格的映画デビューは1978年の大ヒット作「柳生一族の陰謀」(深作欣二監督)だった。

若手の人気スターになった彼は数々の映画に主演し、歌手でも活躍。名作「たそがれ清兵衛」(2002年、山田洋次監督)で映画各賞を総ナメにし、米アカデミー賞外国語映画賞の候補にもなった。

ハリウッド映画「ラストサムライ」(03年、エドワード・ズウィック監督)ではトム・クルーズに剣道を指南する印象的な役を演じた。撮影終了後、半年間も自費でロサンゼルスに滞在し編集作業に協力したことが俳優人生の転機になった。

その後、20年間、野菜とチキンで体形を維持した彼は、欧米製作映画21本とテレビドラマ7作品に出演。《忠臣蔵》をアレンジした「47RONIN」(13年、カール・リンシュ監督)ではキアヌ・リーブスと共演し大石内蔵介を演じた。

「衣装や小道具、所作など日本人としてヘンだと思ったら、許せる範囲で折衷案を提案する。でも俳優としてできることには限界があります」

そんな苦労を語っていた真田は今回の仕事でプロデューサーを兼任、日本から時代劇に精通した俳優やスタッフを何人も呼び寄せたことが歴史的快挙につながった。日本の伝統文化を発信する彼の役割はこれからますます重要になる。

■垣井道弘(かきい・みちひろ) 1946年、広島県三原市生まれ。明治大学文学部卒。週刊誌「女性自身」の記者を経て、映画評論家になる。著書に「MISHIMA」(飛鳥新社)、「今村昌平の製作現場」(講談社)、「ハリウッドの日本人」(文芸春秋)、「緒形拳を追いかけて」(ぴあ)などがある。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください