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ノマドの窓~渡る世間はネタばかり~ 中島らも〝あの世に生まれて〟20年のライブ開催 らもを慕い続ける豪華なメンツ、タイトルは長女・中島さなえさんが決定

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月3日 15時30分

中島らもさんがどこかに行ってしまってからもうすぐ20年になる。僕は「らもさんはおそらくはバリ島にいるのではないか」と思っているので〝逝って〟ではなく〝行って〟と書くことにしている。まぁ20年間会っていないだけだ。

らもさんとの思い出はたくさんあるが、やっぱり一緒に番組を作っていた頃のあれこれは鮮明に覚えている。らもさんは30代前半の頃、コピーライターでありながら、放送作家として関西のテレビ・ラジオ番組の構成もしていたので、僕とは同業種。コンプライアンスというお行儀のいい考えなどない時代だったから、やんちゃ志向の業界人たちが集まるのは当然の流れで、今となっては〝伝説の〟という言葉付きで語られる「なげやり倶楽部」(読売テレビ)の会議はぜいたくな時間だった。

そもそも構成として参加している面々、中島らもと僕のほかに、鮫肌文殊や宮沢章夫、その他当時の最先端関西カルチャーを発信していたコピーライターや雑誌編集者たちを〝なげやり地球防衛軍〟と呼んでいたこと自体がアホだ。

例えば「不幸のつかみ取り」というコーナーがあり(その発想がすでに変!)〝いかにも不幸なこと〟を皆が宿題として考えて来るのだが、会議ではそれを順に発表していってウケを争う。つまり、毎週1回会議室で、中島らもを司会とした大喜利ごっこを繰り広げていたわけだ。視聴率を気にして軌道修正したりせず、自分たちが楽しめることを追求していたので、番組がスタートして2カ月ほど経った頃「終わります」という宣告を受け、12回で打ち切られた。

しかし今思えば、その番組作りの根底にあるスピリットは中島らもワールドそのもので、いつも正直だったらもさんからわれわれが学んだことは大きい。おそらくは中島らもと少しでも同じ時間を過ごすと、そのうそ偽りのない存在感の虜(とりこ)になってしまうのだと思う。

そして、虜になった奴らが一堂に会してロックするライブが近づいてきた。7月30日に東京、8月1日に大阪で開催する。「らも祭り」の際にはいつも早々に出演を快諾してくださる大槻ケンヂや町田康、らもを師と仰ぐ松尾貴史、俳優でミュージシャンの山内圭哉、鮫肌文殊をはじめ、升毅や宇梶剛士など、らもを慕い続ける豪華なメンツが揃った。

僕は構成とクレジットされているが、打ち上げ会場への案内係だろう。題して「中島らも20th Birthday ~あの世に生まれて20年~」。このタイトルは、らもの長女、中島さなえさんが「これでいきたい」と決めた。必見です! (火曜日掲載)

■東野ひろあき(ひがしの・ひろあき) 1959年大阪生まれ、東京在住。テレビ・ラジオの企画・構成(山寺宏一&野沢雅子のFM大阪「ニュー・ノーマル・ライフ」など)、舞台脚本(「12人のおかしな大阪人」など)や演出(松平健とコロッケ「エンタメ魂」など)、ライブ企画&プロデュース(キムラ緑子と大谷亮介の「ドリー&タニーライブ」など)、コメディ研究(著書『モンティ・パイソン関西風味』など)、他幅広く活動。猫とボブ・ディランをこよなく愛するノマド。

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