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経営者目線 日銀の「債務超過」はこれで確実 ワタミ株主総会で10年後の夢を語る

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月26日 15時30分

パシフィコ横浜で開催されたワタミ株主総会=23日、横浜市(夕刊フジ)

日銀の植田和男総裁は14日の金融政策決定会合で、月間6兆円規模購入している国債を今後減らしていく方針を発表した。

短期的には、長期金利が上昇し、日米金利差が縮まり、円安に歯止めをかけるのが目的とも言われている。しかし長期金利の上昇は財政破綻へのシナリオを加速させることになる。

ニッポン放送の番組で、『日銀の責任』(PHP新書)という本も出版している、元大蔵官僚で一橋大学名誉教授の野口悠紀雄さんと対談した。野口さんは「最大の問題は株式市場に対する影響だ。株価が暴落する危険もなくはない」と指摘していた。そのほかにも、住宅ローンの金利上昇や、中小企業が金利上昇に耐えきれず、倒産ラッシュを迎えるリスクもある。国債を大量保有している地銀の財政状況も悪くなる。

何より、日銀の債務超過がこれで確実となった。1%の金利上昇で40兆円の含み損(評価損)が出る。日銀は簿価会計であり問題ないというが、国債を購入する側の世界の投資家は、時価会計を指標に評価する。日銀や日本円の信頼が薄れ、私はいずれ、国債の格付けが引き下げられると考える。そうなると、長期金利はますます上昇し、政府は国債の利払い費が増加し予算が組めなくなる。

国民はそこまで「危機」を意識すべきだ。かつて英国のリズ・トラス政権は大減税と10兆円の国債発行に踏み切った。結果、長期金利が高騰し、年金の基金が損失し、国民から批判が集まり、退陣を余儀なくされた。英国は政府の政策に対して金利、そして国民が審判を下している。野口さんも「なぜイギリスと同じようなことが行われないのかが大問題だ」と指摘する。

ワタミは金利が5%上昇した想定でも耐えられる経営戦略を考えている。危機が起きても、どの店舗が生き残れるかシミュレーションもしている。

23日に行われたワタミ株主総会には約3000人が来場してくださった。コロナ禍以降、オンラインでの株主総会が増えた。一般的に、株主総会は、なるべく短く、はやく終わらせようというのが主流だ。質問を多く受けつけるのもリスクしかないという考え方もある。

しかし、時流に反しても、ワタミは開かれた株主総会にこだわっている。総会後には「5年後の夢を語ろう!!」と題して1時間のトークイベントも開催した。経営者が夢を語り、それを応援しようと思ってくださるのが株主だ。だからこそ、夢を語ることが何より重要だ。5年後の夢を語る予定だったが、5年以内に財政破綻があってもおかしくないと考えており、10年後の夢を語った。10年後にはワタミの売り上げを3000億円にすると語った。夢は、たくさんの奇跡を起こす。40年前はたった1軒の居酒屋だったワタミに、今、6万人の株主がいることがその何よりの証しだ。これからも、夢を語り仲間を増やしていきたい。 (ワタミ代表取締役会長兼社長CEO・渡邉美樹)

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