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ノマドの窓~渡る世間はネタばかり~ 室田真宏が今、キテます! 大ヒットしたNetflixドラマ「サンクチュアリ―聖域―」の馬剛役の男

zakzak by夕刊フジ / 2025年1月8日 11時0分

(夕刊フジ)

このコラムも残すところ数回になってしまった。東海林さだおさんではないけれど〝あれも書きたいこれも書きたい〟と、昨年秋からは、書く対象をメモして絞り込んできた。

そして今回のターゲットは「室田真宏(むろたまさひろ)」。今、「誰それ?」と思いましたね。当然です。ほとんど知られていない俳優だ。でも、大ヒットしたNetflixドラマ「サンクチュアリ―聖域―」の馬剛役の男と言ったらどうだろうか? オープニングで相撲甚句を歌ってたあの男。

話題になりかけることを、よく〝キテる〟という言葉を使うけど、この男がまさに今、キテる。

僕と彼とのそもそもの出会いから簡単に書いておくと、それは13年前、沖縄・那覇。彼は1982年北海道北見市生まれでありながら、28歳の時に沖縄に移住し、吉本興業が運営するNSC沖縄校に入学して、お笑い芸人の道を歩もうとしていた。

そこに僕が講師としていき、やけに明るいトークにやられて付き合いが始まった(なので今でも会うと「先生!」と言ってくれるが、僕はそれよりツレという感覚でいる)。

当時は〝どさんこ室田〟と名乗っていて、第1回よしもと沖縄芸人総選挙で初代王者になったり、沖縄新喜劇でヤクザ役などを巧みにこなしたりしていたが、おそらくは「ここは俺をフルに発揮するには狭い」と感じたんだと思う。36歳の時に上京して東京吉本で俳優班の所属になった。

それから数年後、室田の人生を変える声が掛かる。僕が書きたかったのはココだ。ある監督から「お前、いけるか。頑張れ」と言われてゲットしたのが「サンクチュアリ」の馬剛役なのだった。

その時、体重90キロだったのだが、1年半で135キロまで増量した。「きつかったっす」そりゃそうだろう、減量より増量はしんどいと思う。体づくりだけではなく、トレーニングも含めてトライした期間は2年半だという。視聴者は「あの相撲取り役、良かったわ~」と簡単に口にするし、そんなウラを知らずに見ているが、彼があの体を作ったのだ。

古くはデ・ニーロ伝説など、ハリウッド俳優たちの役作りについて聞くけれど、僕としてはそんなリアルなドラマを間近に知って、あらためて一目置いたのだ。

今は、吉本を退所して、別事務所に所属し、多くのドラマに引く手あまたの室田真宏。俳優としてだけではなく、笑いに長けて、歌唱力も抜群。映画「ザ・ファブル」や連続ドラマ「インフォーマ」などの話題作にも出てるし、最近は海外ロケも多い。キテます!

■東野ひろあき(ひがしの・ひろあき) 1959年大阪生まれ、東京在住。テレビ・ラジオの企画・構成(FM大阪「森高千里ララサンシャインレディオ」)、舞台脚本(「12人のおかしな大阪人」)やコンサート演出(松平健とコロッケ「エンタメ魂」)、ライブ企画・構成(「小室等de音楽祭」)、コメディ研究(著書『モンティ・パイソン関西風味』など)。猫とボブ・ディランをこよなく愛するノマド。

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