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新・親も知らない今どき入試 入学後に生徒の満足度が高い大学ランク 「東大」「東北大」と難関大が上位入り 最終的には「偏差値」で選ぶ現実的な選択

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月1日 15時30分

進学校の進路指導教諭がお勧めする大学の最終回は、「入学後、生徒の満足度が高い大学ランク」をお届けする。

大学通信は毎年、全国の進学校の進路指導教諭を対象に、お勧めの大学を調査している。2024年は、約3000高校にアンケートを送付し、766校から回答があった。ポイントは、アンケート項目別にお勧め度の高い順に大学を5校連記してもらい、最初の大学を5ポイント、次を4ポイント…として集計した。

このアンケートでは、生徒に人気のある大学の要因と、志望校を選ぶ際に重視する点についても聞いている。前者の質問に対して最も多くの回答が寄せられたのは、「自分のしたい勉強ができる大学」で、「知名度が高い大学」「社会的評価・イメージが良い大学」などが続いた。一方、後者で真っ先にあがったのは「偏差値」で、「大学の知名度」「学部・学科・研究内容」などの順となっている。

つまり、行きたいのは「したい勉強ができる大学」だが、最終的には「偏差値」で選ぶという、現実的な選択をしている受験生が多いということだ。

そうした視点でランキングを見ると、1位東大、2位東北大、3位京大、4位早稲田大、5位明治大と、国立と私立の難関大が名を連ねるのも納得がいく。「したいことができて難易度が高い大学」、つまり、第一志望に考える受験生が多い大学が、入学後の満足度ランキングに反映されているということだ。

順位が多少入れ替わっても、ランキング中の大学は前回と同じ。特に上位5大学は順位も同じで固定的だ。しかし、国立大では京大より東北大が、私立大では明大が慶應義塾大(9位)より上位という関係が気になるところ。大学の難易度を第一に選ぶのなら、それぞれ満足度の面で逆転してもよさそうだが―。予備校関係者は言う。

「東北大と明大ともに受験生の人気が高い大学で、憧れの大学に入れたという思いが難易度を上回っているのでしょう」

確かに、第4回掲載の「生徒に人気がある大学ランク」では、東北大より京大、明大より慶大のポイントが低かった。

ランキング全体を見ると、ベスト10のうち、私立大は3大学。6位大阪大、7位北海道大、8位筑波大、10位九州大と、国立難関大が占める状況について、予備校関係者が解説する。

「多くの科目が課される共通テストをクリアした上で、ハードな2次試験を突破するための受験勉強を振り返れば、満足度はおのずと高くなる」

ランキング中の私立大はすべて東京の大学で、近畿圏の最上位は12位の同志社大。これは、首都圏と近畿圏の受験生気質の差が大きい。私立大が充実している首都圏では、私立大志向の受験生が少なくない。一方、難関私立大が少なく、京大、阪大、神戸大、大阪公立大など、国公立大が充実している近畿では、国公立大志向が強いことが、ランキングに反映されているようだ。

■井沢秀(いざわ・しげる) 大学通信情報調査・編集部部長。1964年2月6日、神奈川県生まれ。明治大学卒業後、受験情報・分析を主力事業とする大学通信入社。大学の入り口(入試)から出口(就職)まで、情報を収集し発信中。中高・大学受験の案内書・情報誌を編集するほか、新聞社系週刊誌、経済誌などへの情報提供と記事執筆を行う。

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