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井上ヨシマサ ヒットメーカーの仕事術 転機となった「ブルーウォーター」と実験的サウンド「Rosa」の大ヒット 強力なメロディーがあれば多くの人に届くことを確信

zakzak by夕刊フジ / 2024年9月12日 11時0分

中山美穂(夕刊フジ)

1988年、井上ヨシマサは、荻野目洋子「スターダスト・ドリーム」と光GENJI「Diamondハリケーン」でオリコン1位を獲得し、銀座音楽祭で作曲家賞を授与された。当時はバンドブームの到来で、シンガー・ソングライターが台頭していたが、88年の作曲家ランキングでは筒美京平に次ぐ第5位。長者番付にも名前が載り、名実ともにヒットメーカーの座を確立する。

とはいえ本人は「1位は自分の実力とは関係なく、歌い手の方の力で獲れたものではないか」と受け止めていたようだ。

「実は1位と賞を獲得したら、作家をやめて自分の活動に集中しようと思っていました。でも実際はそうならず、仕事に追われて先方の注文に合わせていくうち、自分が本来作りたい音楽とは違うと感じることが多くなった。それで『これからはたとえ食えなくなったとしても、やりたいことだけをしていこう』と決めて、作家事務所から独立したのです」

そのタイミングで依頼があったのが、森川美穂の「ブルーウォーター」(90年)だった。NHKアニメ「ふしぎの海のナディア」の主題歌に起用された同曲は、森川最大のヒットを記録。今も多くのリスナーに愛され続けている。

「自分が思うままに作った楽曲がヒットしたのは、どんな曲でも歌えてしまう森川さんの歌唱力があったからですが、この作品のおかげで、この先もやっていけそうだという手応えを感じられた。僕にとっての第2期の始まりです」

自分が納得できる楽曲を作るために最高の機材をそろえて、作編曲だけでなく、ミックスまで手がけるようになった井上は91年、中山美穂に「Rosa」を提供。ジャパニーズハウスの先駆けとなった同曲はノンタイアップながら大ヒットを記録する。

「当時としてはかなり実験的なサウンドでしたが、強力なメロディーがあればマニアックな曲で終わらず、多くの人に届く。そのことを確信できた楽曲です」

最新アルバム「再会 ~Hello Again~」にはキャリアで重要な位置を占める「ブルーウォーター」と「Rosa」も収録されている。デュエットした森川と中山は来年がデビュー40周年。今回のコラボを機に新たな楽曲提供につながることを期待したい。 (濱口英樹)

■井上ヨシマサ(いのうえ・よしまさ) 1966年、東京生まれのシンガーソングライター、作編曲家、音楽プロデューサー、大阪芸術大学客員教授。幼い頃からクラシックやジャズを学び、中学時代にテクノバンド「コスミック・インベンション」でプロに。85年から作編曲家としても活躍を始め、2012年、AKB48「真夏のSounds good!」で日本レコード大賞受賞。作家活動40周年を記念した第1弾アルバム「再会 ~Hello Again~」が好評発売中。

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