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テレビ用語の基礎知識 「ガラパゴスニュース」日本だけが〝バラエティー化〟した不思議 韓国のニュースは意外と欧米スタイル

zakzak by夕刊フジ / 2024年12月26日 11時0分

(夕刊フジ)

韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が突然戒厳令を出したのでかなり驚きまして、いま急遽現地に来ています。テレビ朝日にいる頃から韓国・北朝鮮関連の取材が多く、友人もそれなりにいるので、とりあえずその友人たちと会って話を聞くなどするため渡韓したわけです。

「危険ではないか」などと心配してくれる人もいましたが、当然そんなことは1ミリもなく、街はいつもとほぼおんなじ感じです。ただ、そういえば日本人観光客の姿はそんなに見かけません。他の国…中国とか香港とか東南アジア系の人たちは結構見かけますが、日本人はやはり用心深いのか明らかに少ないので、いつもなら行列のできるような人気店もガラガラに近く、快適です。

しかもこの政情不安によるとみられるウォン安もなかなかのものなので、お得に旅行できます。ただしソウルは非常に寒いですが。

当然、政治の動きが気になりますので、テレビでニュース番組を結構見ていますが、ずっと今回の政変関係のニュースを長時間やってますね。まあ、そりゃそうでしょう。尹大統領関連のことは機会があれば、今度どこかに書かせていただこうと思います。

ソウルでニュースを見ていて、「韓国のニュースって意外と欧米スタイルだな」と改めて思いました。演出も内容も、どこかCNNとかBBCとかに似ている番組が多い。VTRと中継中心の構成で、基本的にどのニュースも記者がリポートするスタイルです。原稿も記者が読んでいて、ほとんどナレーターによるナレーションはありません。

スタジオの尺は非常に短く、セットはシンプルで、クロマキー合成でニュース画像を背景にMCがニュースのリード部分を読むスタイル。スタジオには項目ごとに、そのニュースに関して詳しい学者や専門家と記者だけが呼ばれて解説します。

いわゆる「レギュラーコメンテーター」とか「タレントのゲスト」とかはいない。フリップとか、でかいボードとかを使ってアナウンサーが詳しい背景を説明する、みたいなのもない。ニュース番組らしい「ニュースだけを伝えるすっきりしたスタイル」です。これ、やっぱり見やすいですよね。情報も濃いし。「コメンテーターとかタレントの変な感想はいらないよな。理解を妨げるだけだし」と心から思いました。

日本とこれだけ距離的も文化的にも近い韓国ですら、日本みたいに「バラエティー化した変なニュース」をやってはいない。どうして日本だけニュース番組が「ガラパゴス的進化」を遂げてしまったのか不思議です。

■鎮目博道(しずめ・ひろみち) テレビプロデューサー。1992年、テレビ朝日入社。「スーパーJチャンネル」「報道ステーション」などのプロデューサーを経て、ABEMAの立ち上げに参画。「AbemaPrime」「Wの悲喜劇」などを企画・プロデュース。2019年8月に独立。新著『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(光文社)が発売中。

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