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体操・男子個人総合、岡慎之助が初出場で「金」 20歳の新エース誕生!「緊張をかみしめ、楽しんでやれた」

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月1日 13時34分

【パリ(フランス)7月31日(日本時間1日)=山戸英州】体操・男子個人総合決勝で初出場の岡慎之助(20)=徳洲会=が6種目合計86・832点で団体に続いて金メダルを獲得した。日本勢による同種目の制覇は2012年ロンドン五輪から4大会連続の快挙。22年の全日本個人総合選手権で負った右膝の前十字靱帯完全断裂から復活しての見事なVだった。リハビリ中に日本勢が点数を落としがちな、つり輪を徹底強化。華麗な演技と、スーパーカーの「フェラーリ」にたとえられる強靱な肉体でアクセル全開、頂点に上り詰めた。

「目標にしていた団体、個人での金メダル。今日はただ勝ちたかった。ミスなく終えられてうれしいです」

団体で制覇した勢いそのままに新チャンピオンが躍動した。予選を2位で通過した岡。2種目目に挑んだあん馬は国内選考会では失敗していたが短期間で修正、レベルをアップさせて14・500点を奪い、トップに躍り出た。

5種目目の平行棒では両足を天井に延ばす倒立を余裕を持ってきっちりと決め、その華麗さに会場からため息が漏れるほど。15・100点を記録してさらに波に乗る。

勝負の分かれ目となった最後の鉄棒は得意種目で「中途半端な演技ではなく、思い切ってやる。すごく緊張していたが、冷静になり縮まずにやろう」と念じ、気合の14・500点。強敵の張博恒(中国)を僅差ながら上回り、栄冠をもぎ取った。

体操人生のターニングポイントになった22年の右膝のけが後は、不安と闘いながらも厳しいトレーニングを課し、「パリ五輪があったからこそ乗り越えられた」。初めて立った大舞台は「緊張をかみしめながら、楽しんでやれた」と笑った。全体的に決して「いい演技ができたとは思っていない」と自己採点したが、高得点をつけた審判団には「評価してくれた」と深く頭を下げた。

体操との出合いは4歳のときで、保育園の先生に逆上がりをほめられたことがきっかけだった。体操界では、多くの選手が高校、大学とステップを踏んでシニアのチームに入るが、岡は高校進学時にシニアチームの徳洲会に入部し、岡山県の私立関西高に進学したものの、一度も登校せずに退学した。その後、通信制の星槎国際高に進み、現在、星槎大に在学中。

徳洲会の米田功監督は、岡の体操について「フェラーリ」と表現する。「スペックはすごい。でもまだまだ乗りこなせていない」。それで表彰台の頂点に立つのだから、底知れないポテンシャルの高さを物語る。

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