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カワノアユミの盛り場より愛を込めて 円安時代のタイ移住「働きながら」が賢明 家賃値上げや物価高に苦しむリタイアメント組、一方で増加する「キラキラ移住者」

zakzak by夕刊フジ / 2024年7月25日 11時0分

首都バンコク市内の日本人街・タニヤ。最近は日本人駐在員の姿は減り、韓国や中国人の姿が目立つという(筆者撮影)(夕刊フジ)

6月下旬に日本に一時帰国したが、今月からは再びタイに戻っている。10年前にバンコクのキャバクラで働いたことが私のタイとの出会いだが、この国にひかれる思いは年々強くなっている。

しかし、前回はタイの物価高や現在の歴史的円安の影響で、残念ながら日本人の老後のタイ移住が厳しくなっている現実をお伝えした。例えば、10年前に5000万円の資産でタイに移住したケースなら、当時のレートで1630万バーツだった資産は、現在は1143万バーツに目減りした計算だ。

円安は移住者だけではなく、日本人駐在員も直撃している。コロナ禍以降、自動車メーカーをはじめとする日系企業が多く撤退し、10年前のように夜の街で遊ぶ駐在員たちはめっきり減った。

バンコクの日本人街・タニヤのカラオケ(タイのキャバクラ)のオーナーに話を聞いた。タニヤのカラオケの女性のアフター料金は約3500バーツ(約1万5000円)。コロナ前と比べても約1000バーツ(約4300円)しか値上がりしておらず、他の歓楽街の値上げ幅よりは格段に安いという。それでも、このカラオケのオーナーは「コロナ前と比べても日本人は5、6割しか戻ってきていない。しかも、駐在員は減って、いまタニヤを訪れる日本人客の8割は旅行者ですね」と語る。

私の個人的印象では、10年前、タイで優雅に暮らしていたのは主に駐在員とリタイアメント組だったが、いまや日本人移住者の内訳も変化した。

増えているのは日本の企業で技術者としてキャリアを積んだ後、早期リタイアしてタイに移住し、現地採用されて働く日本人たちだ。現地の日系企業や外資系企業から直接スカウトされるため、通常の現地採用よりも高給で待遇は厚い。日本の一部メディアで取り上げられる「キラキラ移住者」はこうしたケースに該当することが多い。

一方、完全にリタイアして賃貸物件に住む人々は家賃値上げなどに苦しみ、物価の高いバンコクなどの都市部では厳しい生活を余儀なくされている。前回の記事には「数年前までは『資産3000万円あれば早期リタイアしてタイで暮らせる』などといわれてきたが、それももう『おとぎ話』ではないか」と書いた。現在、早期リタイアして暮らすにはマンションを買い、将来の生活費や物価高騰を考慮すれば最低でも7000万~8000万円の資金は必要だ。

たとえ資金があっても働いていた方が生活は楽だ。働きながらタイで第二の人生を送り、老後の資金を貯蓄することは、今後の「円安時代のタイ移住」として、賢明な方法ではないだろうか。

■カワノアユミ 20代を歌舞伎町と海外夜遊びで過ごした元底辺キャバ嬢。現在は国内外の夜の街でニッチなネタから盛り場の変遷までを幅広く取材。著書に、アジア5カ国の日本人キャバクラで9カ月間潜入就職した『底辺キャバ嬢、アジアでナンバー1になる』(イーストプレス)。X(旧Twitter):https://x.com/ayumikawano/

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