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ニュース裏表 安積明子 躍進の国民民主党、玉木代表が「政局」の先に見すえる未来 「裏自民党」批判は不正確 いよいよ問われる「政策実現力」

zakzak by夕刊フジ / 2024年11月6日 11時0分

11日に召集される特別国会を控えて、国民民主党に注目が集まっている。

先の衆院選で惨敗した自民党と公明党は計215議席にとどまった。自民党系の当選者らを加えても、過半数(233議席)に及ばないが、4倍増の28議席と躍進した国民民主党を加えた「自公国連立」が成立すれば、状況は一変するためだ。

ただ、首相指名で、国民民主党は1回目の投票も決選投票も党代表の「玉木雄一郎」と書くことを決めた。これでは決選投票で無効票となり、相対的に多数の自民党の石破茂総裁が第103代内閣総理大臣に就任することになる。

自民党を事実上サポートするため、国民民主党を「裏自民党」と批判する声があがるが、それは正確ではない。

そもそも、国会議員は何のために「国民の審判」を経て国会に送られるのか。多数を制し、政権を担うためか。確かにそれも重要だが、そこで思考停止してはならない。

国民民主党のキャッチフレーズは「対決より解決」だ。

これまでも、ガソリン税をめぐるトリガー条項凍結解除や、再エネ賦課金を一定期間停止して高騰する電気料金を引き下げることなどを提唱してきた。今回の衆院選では、「手取りを増やす」を合言葉に、「103万円の壁」を打破すると主張した。これが、若年層を中心に支持を広げることにつながった。

玉木氏は、他党との協力について「あくまで政策本位」としている。当然だ。国民民主党は与党に入れば少数にすぎず、思い通りに主張を通すこともできない。他方、野党との連携では、「小さな集団の悲哀」は変わらない。

ならば、いっそ局面に応じてキャスチングボートを握り、自由な立場を利用して政策を実現する方が、国民に大きくアピールできる。国民にとっても、重要なのは求める政策の「実現力」であり、誰がやるのかは二の次だ。

〝イデオロギー〟を優先するなら、ひたすら数合わせの政権獲りゲームに興じる他はない。野党第一党の立憲民主党は議席を98から148に増やしたものの、比例票は約7万票しか増えず、本質的な勢いに欠ける。38議席と勢力が減少した日本維新の会は自公とも、立憲民主党とも組むつもりはなく、政権交代が生じることはないだろう。

参院で、自民党は113議席、公明党は27議席の計140議席で、与党が定数(248議席)の過半数を維持している。ここで衆参がねじれを起こせば、国会の機能が停滞しかねない。

政局が混迷するなか、各党は「次」を考えるべきだ。「次」で飛躍する政党こそが、天下を取るに違いない。 (政治ジャーナリスト・安積明子)

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