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久住昌之 するりベント酒 高齢者向け?薄味だけどだんだんおいしくなる「海苔弁」 鮭の切り身の合間に食べる煮豆の旨さがわかる歳に

zakzak by夕刊フジ / 2024年8月17日 15時0分

(夕刊フジ)

海苔弁をいただいた。なにか高齢者の会で出たものが余ったということだ。

それを夏なので冷蔵庫に入れておいて、翌日昼に食べた。ビニール袋から出したらものすごくデカデカと「海苔」とだけ書いてあり、思わず笑った。こんなに大きく書かないでも。あ、老人向けだから、文字を大きくしたのか。にしてもデカイ。「海苔弁当」でなく「海苔」。やっぱり面白い。

電子レンジであっためようかな、と思ったけど、めんどくさいのでそのまま食べた。

焼き鮭の切り身がデカイ。厚い。包みには「海苔」でなく「鮭」と印字すべきではなかったか。

そして、しかし、その海苔と謳われた海苔が少なくないか?こりゃ刻み海苔だし。と思って、大きな鮭を箸で持ち上げたら、刻み海苔がビッシリごはんにのってる。そんで鮭の裏にもビッシリ付いてる。これは刻み海苔だが確かに海苔弁だ。刻み海苔にはしっかりおかかもまぶしてある。うむ、いいじゃないか。

と思って、まず海苔の付着したごはんを食べたら、ちと固い。そりゃそうか、冷蔵庫に入れてたもんな。まあいいや。途中で嫌になったら残そう。

鮭を食べたら、お、ふっくらうまい。しかも全然塩っぱくない。塩鮭と全然違う。そうか、高齢者用で減塩なのか。これはいい。ボクが前期高齢者になったからということを差し引いても、味としておいしい。よく鮭弁の塩が強すぎるなあというのがある。そういう鮭は小さいのでいい。でもこれは塩分が低い分、鮭が大きい。理にかなってる。食べ応えがある。

そしてキンピラゴボウ。これがまた減塩、減油。ゴボウの味がくっきりしてさっぱりうまい。固い飯を食う。うむ。悪くない。

便宜上、缶ビールを横に置いたが、これは飾りで実際には熱い緑茶を入れた。これがまたこの弁当においしい。冷たい弁当と熱いお茶という組み合わせ、忘れていた。家から作っていった弁当をバイト先で黙って食べてたら、その会社の人がお茶を入れてくれて出してくれ、感激。という経験が遥か昔にあった。

細い小さなウインナーが入っていて、これがまたシブクおいしい。テキトーな赤ウインナーと違い、ちょっとチョリソー的に細くて締まっていて、噛みごたえ、肉味、とてもいい。うーむ。そして右端にちんまりと入っている煮豆!これがおいしい。若い頃はこんなの嫌いだった。残した。今はありがたい。歳だろうか。この甘味のある豆が、鮭飯の合間に、実に変化を与えて、有効。この旨さがわかるようになったというのは、歳の取り甲斐があった。

卵焼きがやさしい。そこで一句。常温で温かみあり卵焼き。

焼鮭やっぱりうまし。薄味なのでだんだん、どんどんおいしくなる。全部の味が冷たい海苔飯を生き生きさせてきた。これは残さない。残せない。鮭の皮もおいしく食べたが、もう少し焦がして香ばしさが欲しかったといえば贅沢か。

というわけで「海苔」きれいに完食。しかし、いったいどこで作られたものだろう?

(マンガ家、ミュージシャン・久住昌之)

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