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「解説で私を生かしてくれた恩人」舞の海氏、大相撲中継の〝名コンビ〟北の富士さん偲ぶ 「本当に張りあいがなくなりました」

zakzak by夕刊フジ / 2024年12月19日 14時25分

北の富士勝昭さんの祭壇=東京都墨田区(夕刊フジ)

11月12日に82歳で死去した大相撲の第52代横綱、北の富士勝昭さんをしのぶ会が18日、東京都墨田区の八角部屋で開かれた。参列者のトリを務めるように駆けつけたのは、NHK大相撲中継の解説で故人と名コンビを演じた元小結の舞の海秀平氏(56)だった。

弟子の日本相撲協会・八角理事長(元横綱北勝海)と鈴木宗男衆院議員が弔辞を読み、歌手の松山千春も姿を見せるなど、北海道の同郷人をはじめ関係者350人が参列。一般の参列も受け、部屋の周囲を2周するほどの長い列が約1時間途切れることなく、1600人が別れを惜しんだ。

その最後に並んだのが舞の海氏。北の富士さんの最後の解説となった昨年1月以降はお見舞いもかなわなかったそうで、「何度かお願いしたんですけど、誰とも会わないということだったので。無理やり行こうかなとも思ったんですけどね…。どうしても一度顔を見たかった」と無念の表情。「北の富士さんは美学を持っていたので、カッコ悪いところは絶対見せたくない思いが強い人。その気持ちを尊重したほうがいいのかと葛藤しました」と何度もため息をついた。

2人の掛け合いは番組名物で、「解説で私を生かしてくれた恩人。私と同じ意見なのに、あえて反対のことを言って自分が悪役になって、私をいい人に仕立てあげてくれていると思うことが何度もありました」と感謝。脳梗塞などの影響で思うように発声できないとされていた北の富士さんが、今年7月の名古屋場所初日にNHKでVTR出演したのを見た際は、「ここまで話せるようになったんだ」と回復ぶりに希望を抱いたという。

願いはかなわず、「もう少し頑張れば一緒にできるなと思ったんですけどね…。本当に張りあいがなくなりました」と神妙。「もうあんな人は出てこない。相撲に対する考え方、北の富士さんの思いは生き続ける。もう一度、思い返して解説していけたら」。病床でも譲らなかった美学を受け継ぐ。 (塚沢健太郎)

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