俳優兼演出家〝二刀流〟城田優の挑戦 NHK大河やTBS日曜劇場などの出演相次ぐも「どんなに忙しくても、演出は続けたい」

12月8日クリスマスライブ開催

歌手の城田優が自ら演出するコンサート「billboard　classics×SNOOPY　マジカル・クリスマス・ナイト2024」が12月8日、兵庫県立芸術文化センター（同県西宮市）で開催される。「世代を超えた人たちに、日常を忘れ、マジカルで夢のようなクリスマスを楽しんでほしい」。公演タイトルの考案者でもある城田は熱く呼びかける。

世界的人気のキャラクター、スヌーピーにまつわる名曲やクリスマスソングをフルオーケストラをバックに城田が歌う5年目の公演。

「一昨年まで、僕はゲストシンガーの立場でしたが、歌っているときに〝もっとこうしたら良くなるのに〟という思いが募り、昨年から演出も担当させてもらっています」

スヌーピーたちが暮らす森をイメージした舞台のデザインから照明、楽曲の編成などすべて城田が考え、企画した内容になっている。

「昨年の内容をよりブラッシュアップし、洗練されたコンサートにしたい」と構想を明かす表情は堂々たる演出家の顔だ。

ゲストシンガーの森崎ウィンも自らが抜擢。「ミュージカルで共演し、高い才能にひかれて」と共演を待ち遠しそうに話す。

昨年の初演出の秘話についても教えてくれた。

「オーケストラのメンバーに集まってもらい、僕の構想を伝えました。真っ暗な場面では譜面の明かりも消したい。皆さんも〝森の住民〟となって衣装を着てほしい…」

無理な要求だと知りながら伝えた。「実はしかられる覚悟でした」とも。リスク覚悟で挑む理由は、「やらなかった後悔よりも挑戦して失敗した後悔のほうが納得できる」からだ。

観客席の喜ぶ顔は見えたが、「公演中のオーケストラの人たちの顔は見えないでしょう」と不安だったが、楽屋へ戻ると「みんなが笑顔でほっとしました」。成功を確信した瞬間だった。

主演するミュージカルの演出を担当する機会も増えてきた。一方でNHK大河ドラマ「どうする家康」やTBS日曜劇場「ブラックペアン2」など人気ドラマへの出演も相次いでおり、俳優として忙しい。だが、「どんなに忙しくても、演出は続けたい」と俳優兼演出家の〝二刀流〟の覚悟は固い。　（波多野康雅）