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ニュース裏表 平井文夫 映像が見せるG7サミット名場面 英独仏弱いがイタリアのメローニ首相は「強い」首脳、ヤバい米バイデン大統領…岸田首相はやたら饒舌

zakzak by夕刊フジ / 2024年6月20日 11時0分

先進7カ国首脳会議(G7サミット)の取材に筆者が初めて行ったのは1990年の米ヒューストン・サミットなので、30年以上取材をしているのだが、毎回思うのは「そんなに騒ぐほどのニュースなのか」ということだ。

今回、イタリアで開かれたG7プーリア・サミットでも「首脳宣言」が採択され、「ウクライナ支援の継続」「中国の過剰生産への懸念」などが盛り込まれた。だが、特に新しい話があるわけでもなく、「リモートでいいのに」「いやメールで十分」と思ってしまった。

首脳宣言はつまらないが、映像が見せる各首脳の表情は毎回大変面白い。昨年の広島サミットでは、原爆資料館から出てきた各国首脳の今にも泣き出しそうな顔つきが印象的だった。あれだけで、広島サミットは成功だったと言っていい。

2018年にカナダで開催されたシャルルボア・サミットでは、ドナルド・トランプ米大統領を、ドイツのアンゲラ・メルケル首相、安倍晋三首相らが厳しい表情で取り囲む写真が話題になった。あれほど殺気だった首脳たちの顔つきを見たのは初めてだった。

今回のサミットでまず際立っていたのは、主催者であるイタリアのジョルジャ・メローニ首相のはつらつとした姿だ。彼女は就任当時「極右政治家」などと罵倒されたが、実際には穏健な右派で、政権運営が安定しておりEU(欧州連合)の中でもうまく立ち回っている。7カ国の中で唯一、「強い」首脳であり、それが映像での堂々とした振る舞いにも現れていた。

対して、精彩を欠いていたのが英独仏の「欧州3大国」である。いずれも直前の欧州議会選挙で負け、英仏両国は国内議会を解散したが、英国のリシ・スナク首相は退陣間違いなしと言われる。フランスのエマニュエル・マクロン大統領も、首相を右派の国民連合(RN)を率いるマリーヌ・ルペン党首に取られる可能性がある。

歓迎行事で、メローニ氏がマクロン氏を氷のような冷たい視線で見ている映像がネットでは話題になっていた。

ヤバかったのはジョー・バイデン米大統領である。首脳たちが立って談笑しているところで、フラフラとあさっての方向に歩きだして、メローニ氏が慌てて駆け寄って抱きかかえるようにして集団に連れ戻すというシーンがあった。あれを見て、メローニ氏が高齢者施設の介護士に見えたのは筆者だけか。

米紙ニューヨーク・タイムズは「メローニ氏以外の首脳は困難な内政状況を抱えており、その不幸な集まりが西側の政治的混乱を物語っている」という厳しい記事を載せていた。岸田首相についても、「支持率低下で秋にも退陣の可能性が高い」と断じている。

当の岸田首相は独英仏のようにしょぼくれるわけでもなく、バイデン氏のようにどこかへ行ってしまうわけでもなく、やたら饒舌(じょうぜつ)にしゃべっているシーンが多かったのだが、あれは何だったのか。

もしかしたらサミットでも持ち前の「鈍感力」を発揮していたのか。それならそれで、すごいことだとは思うが。 (フジテレビ特別解説委員・平井文夫)

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